『神の舌を持つ男』、最終回4.8%なのに映画公開! “お蔵入り”できなかったウラ事情
低迷が続いた向井理主演のTBS系連続ドラマ『神の舌を持つ男』(金曜午後10時~)最終回(第10話)が9月9日に放送され、視聴率は4.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だった。有終の美どころか、最終回でも大爆死するという悲惨な終わり方となった。
最高視聴率は初回の6.4%、全話平均視聴率は5.6%と、まさに惨敗を喫した同ドラマ。ここ最近のTBS「金10」枠では、2015年7月期『表参道高校合唱部!』(芳根京子主演)の全話平均5.9%をも下回る大不振。向井自身にとっても、主演ドラマ史上、前例のない低視聴率となり、“黒歴史”となってしまったようだ。
また同ドラマは、7月期のプライム帯の民放連ドラ(テレビ東京を除く)の中でも、『HOPE~期待ゼロの新入社員~』(フジテレビ系/Hey!Say!JUMP・中島裕翔)が最終回で極端に低い数字を出さないかぎり、視聴率最下位となる可能性が濃厚だ。
そんな低視聴率ドラマとなった同作の映画化が強行されるという。タイトルは、『RANMARU神の舌を持つ男 酒蔵若旦那怪死事件の影に潜むテキサス男とボヘミアン女将、そして美人村医者を追い詰める謎のかごめかごめ老婆軍団と三賢者の村の呪いに2 サスマニアwithミヤケンとゴッドタン、ベロンチョアドベンチャー!略して…蘭丸は二度死ぬ。鬼灯デスロード編』という非常に長いもので、12月3日に公開が予定されている。
『神の舌を持つ男』は、舌に乗せたものを検査機器並みの精密さで分析できる能力を持つ主人公・朝永蘭丸(向井)、流浪の骨董屋・甕棺墓光(かめかんぼ・ひかる=木村文乃)、朝永の保護者的存在の宮沢寛治(佐藤二朗)の3人が、ボロ車で、謎の温泉芸者・ミヤビを探す秘湯の旅に出て、行く先々で事件に巻き込まれる……というコミカルミステリーだ。
劇場版では、ミヤビに失恋し、傷心の旅に出た蘭丸が、とある村で“運命の女性”となる美人の村医者・武田竜胆と出会い、その村の温泉街で働くことになるが、またしても事件が発生する……といった展開だという。木村、佐藤も引き続き登場し、武田役として木村多江も出演。そのほか、市原隼人、黒谷友香、財前直見らがキャスティングされている。
昨今、連ドラと映画が連動するケースは少なくないが、昨年、放送前から映画化を発表していた連ドラ『HEAT』(フジテレビ系/EXILE・AKIRA主演)は、全話平均4.1%の大爆死で打ち切りとなり、映画化が白紙となってしまった。それだけに、今回の映画化強行には疑問符も付く。
「『神の舌を持つ男』も、“映画化ありき”でスタートし、ドラマが放送開始する前の6月から撮影に入りました。演出は大物の堤幸彦監督とあって、さすがに“お蔵入り”させるわけにもいかなかったようです。『HEAT』はドラマの内容や、主役の大根ぶりで酷評され、映画化したとしても不振に終わったと思われます。その点、『神の舌を持つ男』は視聴率5%とはいえ、熱狂的な堤ファンからは、ある程度の支持は受けました。その意味で、映画の大ヒットは難しいでしょうが、爆死とまではいかないかもしれません。ただ、さすがにドラマのシリーズ化は無理でしょうね」(テレビ制作関係者)
『ドラえもん』(テレビ朝日系)ののび太のような風貌に、ふんどし姿、“舌ベロベロ”シーンなど、三枚目に徹した向井にとって、ドラマの低視聴率は納得できないものだったはず。映画との“W爆死”だけは、なんとしても避けたいだろうが、果たして――。
(田中七男)