ホッチの暴言・暴力だけではない……私たちが知らない『クリミナル・マインド』の7つのこと
パジェットが演じたエミリーは、シーズン6の中盤、過去に関わった事件のせいで死亡したかのように描かれたが、シーズン7で実は生きていたことが発覚。しかし、同シーズンにはチームを去る形で降板している。インタビューで、パジェットは、「働きやすくて居心地のよいドラマだったから、クビを言い渡されたときはすごくショックだった」「新しい女優を入れるためにクビなんて、今までで最も傷ついた」と激白。「制作スタッフも、私たちが抜けたらもう番組は続かないと、怒って降板したほどだったのよ」「脚本家に、“私の役を殺してちょうだい、チームに捜査させて。そして私は去るわ”って頼んだの」と内部事情を明かした。
エミリーとJJの降板を悲んだファンは、2人を復帰させようという署名運動まで起こし、見事実現を勝ち取った。しかし、エミリーは「事務所が、あと17話分出演するという契約を局と交わしてくれたの。けれど局は何を思ったのか、降板させようとしていたはずなのに、もう1年出演しろと追加したのよ! 私は無理やり、復帰させられる形になった。めちゃくちゃ怒ったわよ。『番組のみんなは大好きだけど、CBSは大嫌い!』って」と不満だったとのこと。「一度クビになり、心が離れてしまったの。シーズン7でカムバックしたけど、もう気持ちが入らない。だから、改めて降板したの」と説明している。
その後、パジェットは他局で放送された『コミ・カレ!!』というコメディに出演。『クリミナル・マインド』には時々ゲスト出演しており、レギュラーに復帰してほしいという声が多く上がっているが、本人はもう二度とレギュラーになる気はないと断言している。
■今年4月にもあった「スタッフのスキャンダル」
アメリカでは、大ヒットするドラマ/映画には有能なキャスティング・ディレクターがおり、その存在は重要視されている。キャスティング・ディレクターの仕事とは、脚本を読み、役にぴったりな役者を集めること。決定権はもちろんプロデューサーらにあるのだが、有能なキャスティング・ディレクターは、星の数ほどいる無名役者の中から未来の大物スターを発掘することもあり、業界への貢献度は非常に高い。
『クリミナル・マインド』にもシーズン1から番組のキャスティングを担当するディレクターがいた。スコット・デヴィッドという男性で、『レバレッジ ~詐欺師たちの流儀』や映画『2012』のキャスティングも担当したベテランだ。プロデューサーや局からも信頼されてきた彼が今年4月、突然番組をクビになった。直前、業界誌「Hollywood Reporter」が、「スコットは、番組への出演を餌に、駆け出しの役者たちを自分の有料ワークショップに参加させた上で、彼らを『クリミナル・マインド』のちょい役にキャスティングしている」と暴露。これに局が怒り、即クビとなったのだ。
その後、スコットは、「ワークショップに参加したからといって、オーディションやキャスティングの際に優遇していたわけではない。役者としての勉強をしてもらうためのワークショップだ」と主張。しかし、売れたい役者の卵を狙ったあくどいビジネスだと批判の声が上がった。
■BAUが移動時に使うのは、プライベートジェットじゃない!?
国内のさまざまな警察署から要請を受けて事件解決を図る、行動分析課(BAU)のチーム。常にプライベートジェットで移動しているが、元BAU捜査官で番組の脚本/プロデューサーを務めるジム・クレメンツは「BAU時代、500回ほど飛行機で飛び回ったけど、いつもエコノミークラスだった」と発言。実際の捜査員たちはプライベートジェットでは移動しないと明かしている。
番組に登場するプライベートジェットのシーンには、航空機メーカー「ガルフストリーム・エアロスペース」の宣伝用映像を使用。同社の宣伝も兼ねていることから1機だけでなく、G-IV、G-V、G-450など、異なるタイプの機種を乗り回している設定のため、映像を間違えてつなげてしまうというミスも発生していた。シーズン5第13話「リスキーゲーム」では、最初に空を飛んでいるジェット機が登場し、機内でチームメンバーのやりとりが紹介された後、再びジェット機が映し出される。しかしここで、最初は「G-V」、次に「G100」と一瞬にして機種が変わってしまっているのだ。2つの機種は、先端部分や窓の数、後部のエンジンなど外見が大きく異なるため、ミスに気づいたファンも多く「なぜ、こんな初歩的なミスを……」と話題になった。
■デレクが去るエピソードは超本格的(ネタバレあり)
シーズン11で『クリミナル・マインド』を電撃降板したデレク・モーガン役のシェマー・ムーア。シーズン1から11年間、1話も休むことなく出演していた皆勤賞の彼の降板は、ファンに大きな衝撃を与えた。制作スタッフもファンに与えるインパクトを考慮し、デレクがBAUを去るための最高のシナリオを考案。降板に向けた3部作が制作された。