カルチャー
『破婚』著者インタビュー

18歳下トルコ人夫との結婚は「投資であり贅沢で不遜な遊び」――及川眠子が語る“破婚”

2016/09/10 16:00

■母性本能の矛先が、自分の子どもではなく若い男にいっても良い

及川眠子氏

――及川さんのパワーを受け止め愛を伝えてくれたものの、事あるごとにお金の無心をしてきたE。多くの人は「貢がされている」「騙されている」と言いますよね。

及川 私の中ではE、そしてEとの結婚に「投資した」という感覚なんだよね。一緒に仕事をやるために旅行会社を設立したから、結婚込みで彼との人生が事業だった。でもさ、男女が逆だったらどうなのと思う。それなりの地位も名誉も金もある男が、磨いたら良くなりそうな若い女を一人前に育てたら「偉い!」と言われるじゃない。私はその逆をしていただけなんだけど、女がやると「貢いだ」だの「バカだ」だの言われて腹立つよね。

 Eは頭も良いし物事の呑み込みや学びも早かったから、ビジネスマンとして一人前になってほしかった。だから日本の言葉や習慣、ビジネスのやり方を教えてお金も出してあげた。投資でもあり贅沢で不遜な遊びだったね。でも、自分にそれだけの金と社会的な地位があって、目の前にやけに毛並みの良い野良犬がいたら、世に自慢できる立派な犬に育てたいと思わない? そういう女がいても良いと思うの。だって、物より人に投資した方が面白いじゃん。自分の好きなようにお金を使って、失ったらまた稼げば良い。何かあっても自分のケツは自分で拭けばいいだけだから。

――その「育てる喜び」として最初に浮かぶであろう、子育てには行かなかったのはなぜでしょう?

及川 子どもを自分で産んでないからかもしれないけど、正直、私子ども嫌いなんだよね。でも母性本能はあって、それがあの時はEに行って、今は愛猫にいっている(笑)。だから、もし子どもを産んでいたら、バカで出来の悪い息子なのに有名私大に入れようと必死に頑張るお母さんになっていたかも。

 私がしたことって、親が「自分の子どもは才能がある」と思い込んでお金かけて頑張るのと同じだと思うの。たまたま私は稼いでいてEに3億円もかけたけど、世の中の生活が大変なお父さんお母さんも、それなりに子どもにお金を使っている。子育てだって多額のお金を使った結果、大物になれば「すごい!」と認められるけど、結果が出なければ「何やってんの?」という目で見られる。それと一緒だと思うし、女も子育て以外でそういうことやったっていいと思うんだよね。

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