カルチャー
『破婚』著者インタビュー

18歳下トルコ人夫との結婚は「投資であり贅沢で不遜な遊び」――及川眠子が語る“破婚”

2016/09/10 16:00

――それでも、13年間続いた理由は何だと思いますか?

及川 13年間Eと一緒にいる中で、実は3分の1しか一緒に過ごしていないの。トルコと日本の遠距離結婚。でも一度も寂しいと思ったことがないくらい満たされていたんだよね。彼が直接でも電話でもストレートに愛を伝えてくれたから。あと、彼と一緒にいる中で起きたトラブルや感じたストレスはすさまじかったんだけど、そういうイベント事が多かった分面白がれたという面もある。お金の無心をされて、断ると泣きつかれて喧嘩をして、という日々の方が、「何にもない平坦な暮らしよりも楽しいじゃん」って客観的に捉えていた。

 あと、決定権。元々夫も、Eの後に付き合った男もそうだったんだけど、男って大抵決定権を持って支配したがる。でも、私と付き合うと敵わないんだよね。こっちの方がパワーも収入もあるから。でもEは、経済的な部分で完全に私に握られていたから私に委ねるしかなかった。だから堂々と私にお金のおねだりができた訳だけど、そういうことも13年も続いた理由かな。
――Eとは喧嘩も相当あったと書かれていました。壮絶な喧嘩のようですね。

及川 私は喜怒哀楽が激しいし、怒るとただのヒステリーではなく理論的に相手を追い詰めるタイプ。専業主婦の場合って、自分の生活が破綻するところまではやらないよね。捨てられたら自分が路頭に迷うから。でも私は自分で稼げるから、破壊したい分だけ破壊しちゃう。1人でイチからやり直せる経済力があるから、歯止めもかけないし手加減もしない。そのくせ理論的だから、仕事があれば暴れるのを中断して仕事に戻って、終われば再び暴れる。そんな女、怖いじゃん(笑)? そういう感情と理論の使い分けが、これまでの男からしたら嫌だったみたい。

 もちろん向こうもすごいパワーで応戦してきた。Eは3分の1しか一緒にいなかったとしても13年間、私のパワーを全部受け止めていたから、友達からも「13年間で3億円は、むしろ安いんじゃない?」と言われたくらい(笑)。これまでは、3カ月で男がコテンパンにやられちゃって「1クールの女」ってよく言われてきたから。

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