18歳下トルコ人夫との結婚は「投資であり贅沢で不遜な遊び」――及川眠子が語る“破婚”
やしきたかじんやWinkの数々の名曲や、「残酷な天使のテーゼ」「魂のルフラン」などの有名アニメ曲を手掛けた、作詞家の及川眠子氏。誰もがうらやむ素晴らしいキャリアを築いてきた及川氏は、2000年、40歳の時に旅行先のイスタンブールで知り合った年下トルコ人男性と結婚。それはただの国際結婚ではなかった。親族の学費や治療費を出させられたり、共同経営で旅行会社を設立させられたり、経営するホテルの工事費を無心されたりといったことが続き、及川さんが3億円ものお金を失ったからだ。それも、非常識な行動や嘘の言葉を並べられて。
そんな元夫(本書に沿って、以下「E」とする)との出会いから別れまでの13年間の全てを綴ったエッセイが、先日刊行された『破婚―18歳年下のトルコ人亭主と過ごした13年間―』(新潮社)。金銭面では多くを失った結婚生活だったが、2人の間に確かにあった愛や当時の及川さんのお金やEに対する考え方、別れてから感じたことなどが細かく描かれている。
今回は及川さんにインタビュー。トルコ人のEに「貢いだ」のではなく「投資をした」と振り返る意味、富も名声も手に入れた女の恋愛観などについて詳しく聞いた。
■トルコ人夫と日本人夫の違いは、自分が決定権を持ちたがるかどうか
――トルコ人のE(元夫)との結婚は、及川さんにとって再婚だったそうですね。最初の結婚相手であった元々夫とは37歳の時に結婚されてすぐに離婚したそうですが、2つの結婚の違いってありますか?
及川眠子氏(以下、及川) 元々夫とはなんで結婚したのかさえわからないくらいなんだけど(笑)。Eは収入がある女に対しても臆しない男だったから良かったのかも。昔の男からも「どうせあんたは一流、俺は三流だよ」と言われたことがあって。それを言っちゃった時点で負けだよね。「え? なんで一流になろうとしないの?」って、ただ軽蔑するしかない。元々夫も、当時は私の方が10倍近く収入があった中で、格差をすごく気にする人だった。
でもEは、したたかだからお金を借りるために「どうせ僕はダメな人です!」と謙虚なフリはできるんだけど、根本的には自分のことを誰よりも優秀な人間だと思っているタイプだった。終始、「絶対にこのビジネスを成功させられるから、眠子さん、お金を出してください!」って感じ。Eは私と出会う前の16歳の時に東トルコで会社を複数も経営していて成功させていた。その実績があるから、そういう自信過剰な性格になったんだよね。