「愛され」精神、ここに終焉! 休刊目前「AneCan」が伝えた、“愛する女になれ”の遺言
■“愛され”より愛する女になれ
今月号はとにかく「恋愛・結婚」の話が盛りだくさん。休刊の前に最後に編集部がアネサーへ伝えたいことは「愛」なのかしら? 「『スマホで始める恋愛』って、アリですか?」では、スマホで始める恋愛というよりも「スマホで始める婚活」について赤裸裸に語り、「愛されるより、“愛する女”が最強です!」では、哲学者の先生とメンタリスト・DaiGoさんが「自分から人を愛することが、幸せになる近道!」と語り、さらには石田純一と東尾理子を引っ張りだして「結婚ってやっぱり、いいですか?」と質問しています。
なるほど、企画の手の内が見えました。ホップステップジャンプじゃないですが、SNSで出会い、自分から愛して愛を温め、最後に幸せな結婚をしよう! って流れですね。では早速「AneCan」流、愛の1・2・3を見て行きましょう!
まずは、「スマホ恋愛を経てカップルになった私たちの恋愛白書」では2組の夫婦と1組のカップルが顔出しで登場。使った“恋活アプリ”、交際記録などが載っております。次ページには「私はこうやって恋活アプリを活用しています!」と3人の女性による覆面座談会。そのうちの1人は、結婚にどうしてもこぎつけたいと、アプリを通して知り合った数十人の男性と食事に行ったそうです。このページ、つまり端的に言うと「pairs」というアプリは男と出会えるよ! って話しでした。
お次は、「愛されるより、“愛する女”が最強です!」。これ、意図的に“愛され”を否定している内容で、「AneCan」どうした!? と驚いてしまうものでした。なんせキャッチにある言葉からして、「読者がキツかった20代の恋愛をプレイバック! 『愛されたい症候群』だったかも?」と、自戒をうながしています。嘘でしょ……? 愛されこそ、この世の真理だって、「CanCam」と「AneCan」は教えてくれたじゃない! と、思わず筆者も動揺。そこに、哲学者の岸見一郎さんは語りかけます。「誰かに愛されてないと自分に価値がないなんて、そんなことはありません」。メンタリストのDaiGoも「他人に人生をコントロールされているようなものですよね」。
混乱。だって、さっきまで彼好みの服を着て、彼のオーダースーツを見立てて、彼になんでも合わせりゃ「愛される」って言ってたじゃん! それなのに、突然の否定。1冊の雑誌の中で、“愛され”路線続投と“脱・愛され”思想が混在するとは……カオス。地獄。しかし、ある意味とてもドラマチック! てっきり、休刊まで「彼好み」「愛され」テイストで魂を守り続けると思っていただけに、この展開に最終号がどう幕を閉じるのかますます楽しみになってきました!
(白熊春)