加護亜依、再婚祝福への感謝ツイートに見た“こじれた親と娘”の片鱗
私から見ると、加護亜依も家族にたかられている芸能人である。加護の半生は波乱に満ちている。「女性セブン」(小学館)で報じられたところによると、加護は生まれてすぐに両親が離婚し、その後母親の再婚で、3人の弟妹ができたという。12歳で芸能界入りしてトップアイドルとなり、家族全員の生活の面倒に加え、継父の借金まで返すことに。加護が稼いだ金は、加護のものというのは言うだけ野暮で、喫煙事件で謹慎を余儀なくされた際、母親は「事務所に借金を申込めないか?」と、加護の金をあてにしていていたそうだ。
その後、加護は飲食店経営者と結婚し出産。自殺未遂、DV、離婚とトラブル続きだったが、この度再婚。本人は至って幸せそうで、「何が幸せって、一緒に喜んでくれたファンの皆さんの優しさが一番嬉しかったです!!!」とファンに向けてツイートしてみせた。
ファンへの感謝を表明するツイートは、アイドルとしては合格かもしれないが、昨年、加護が出演した『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)で「人の顔色を見てしまう」と自己分析していたことを考えると、そんなかわいいものとは言い難い。同番組では加護は、やりたくない仕事でも、相手ががっかりする顔を見たくなくて、いいなりになってしまうといったことを話していたが、再婚発表ツイートも、ファンの“顔色”をうかがっているように感じられるのだ。結婚はファンに喜んでもらうためにするものではなく、自分自身が幸せになるためのものという視点が抜けているように思えてしまう。こういった加護の思考は、これまで親の支配下に置かれてきた影響もあるのではないだろうか。
加護はブログで、母親に会いたいと思っていたら、何も言わなくても母親が上京してきてくれたことについて“以心伝心”と表現した。言葉に出さずとも気持ちが伝わるのが母娘の神秘なのか、一種の呪縛なのかを決めるのは、加護の今後の人生次第である。幼い娘のためにも、今度こそ落ち着いた生活を築いてほしい。
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、また最新刊『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)が8月2日発売。
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