人気キャストの降板に、政治的圧力も!? 後味悪い/不本意な結末となった海外ドラマ作品5作
今年4月、アメリカの人気ドラマ『キャッスル ~ミステリー作家は事件がお好き』の主役の1人、ベケット役のスタナ・カティックが降板するというニュースが飛び込んできた。理由は「予算カットのため」と報じられ、ファンはがっかり。キャッスル役のネイサン・フィリオンとスタナの不仲説報道もヒートアップし、視聴率は低迷。その結果、放送中だったシーズン8で番組は打ち切られることになってしまった。制作側は打ち切りを見越して、最終話を2パターン用意していたが、なんとも後味の悪い結末を迎えることになってしまった。
アメリカのテレビ業界は、年を追うごとにシビアになっている。視聴率が悪ければ、どんなに評判が良くても、次のシーズンは挽回できそうだというドラマでさえも、躊躇なく打ち切っていくのだ。今回は、そんな「不本意な終わり方をした海外ドラマ作品」を5つご紹介しよう。
■『Heroes/ヒーローズ』 2006年9月~10年2月に放送、シーズン4で終了
「世界各地で、平凡な人々が、ある日突然、超人的能力に目覚める。彼らは、戸惑いながらも運命を受け入れ、“超能力を悪用する者”と“超能力で阻止しようとする者”に分かれ、地球を舞台に戦いを繰り広げる」という、かつてないほどダイナミックなストーリーを展開したSFドラマ『Heroes/ヒーローズ』。シーズン1は平均視聴者数約1,400万人と高い数字をマーク。息の長い作品になるだろうと予想された。
同作の魅力は「さまざまな超能力パワーを持つ、人種の異なるキャラクターが大勢登場」すること、「本格的なCGと腕の良いスタントマンを使った、よりリアルな映像」、そして「わくわくするような先の読めない展開」。これを維持するためには、莫大な制作費用が必要で、放送開始当初は1話につき400万ドル(約4億2,000万円)をかけていた。破格の額だが、最初は視聴率も良く、広告スポンサーもつき、問題なく制作費用を確保できたのだ。
しかし、意味不明な能力を持つキャラが登場したり、能力に矛盾があるように感じられたり、タイムトラベルが頻繁でストーリーに無理を感じる視聴者が増えたりとマイナス要素が積み重なって、回を重ねるごとに視聴率は低迷。コストカットのためか、アニメーションシーンが増えたことも「テンポが悪い」とネガティブに捉えられ、視聴者が一気に離れてしまった。慌てた局は、シーズン4の制作費を1話につき30~80万ドル(約3,100~8,300万円)カットしたものの、視聴者は500万人ほどとなり、打ち切るしか道はなくなってしまった。
それでも世界中で人気を得ているドラマであったため、局は「シーズン5のエピソード数を半分に減らしてファイナルにする」or「テレビ映画を制作して終わりにする」とのシナリオをを最後まで検討。番組クリエーターは「これが最後じゃない」と信じて、シーズン4最終話を制作したため、ファイナルエピソードを見た視聴者は、「中途半端でイマイチ。物語の答えが出てない」とモヤモヤ。いつも通り「続く」と出たため、視聴者は次作に期待をつなげたのだが、シーズン5もテレビ映画の企画も白紙になってしまい、彼らをひどく落胆させた。
15年、やっと続編『HEROES REBORN/ヒーローズ・リボーン』の放送が決定し、ファンは大喜びしたものの、人気キャラクター・サイラーを演じたザカリー・クイントや、ピーター役のマイロ・ヴィンティミリアは出演せず。放送開始直後から、“不死身だった人気キャラクターが死んだかも?”というネタを引っ張る展開に、視聴者離れが進み、シーズン1で打ち切りに。こちらも中途半端な終わり方になってしまった。