コラム
今井舞の「週刊ヒトコト斬り」

杖をつくオダギリジョーの“新しさ”が、巻き起こしうる展開

2016/07/29 21:00
15メートル離れて見たら、見間違えちゃうな、こりゃ

――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!

◎腰痛持ちの星
 「ファッションではなく、本当に腰を痛めて……」と、逆にことわりを入れなければ完全にファッションにしか見えなかった、「オダギリジョー 杖」。似合ってたなぁ。時期を同じくして西田敏行もついてたし。「何か、杖ってカッコよくね?」という気分に火をつけそうな機運が。ひょっとして、一気に来るか杖ブーム。……みうらじゅんって、やっぱりいつも時代の先を行ってるよなぁ。

◎視聴率は手堅い
 「21世紀の八墓村」として、世を震撼させた「相模原19人殺害事件」。いや、「日本版・タクシードライバー」か。どちらにしても、障がい者問題の最もデリケートな部分を突いた今回の凶行。「こうした恐ろしい差別は断じて許せません」なんつう、通り一遍な各報道やコメントよりも、あの番組が一体どう検証してくれるのか。今後の『バリバラ』(Eテレ)に注目したい。「バラ」を謳った番組で捌ける話じゃないかもしれないが。あそこ発信の現場の話を、ちゃんと聞いてみたい。ぜひ特番を。

◎不安を抱かせる女優
 変化率がすごいと話題の夏菜の顔。最初間違えて「夏帆」を検索しちゃったけど。確かにすごい。そしてお直しの方向性がものすごくド素人。市井のそのテの人と同じ顔になっちゃってる。

 小直しができる今の時代、皆やりたい方向へ顔をちょっとずつ修正することができる。その動機のほとんどは「もっと写真写りがよくなりたい」ではないかと推察される。修正ナシでいつでも大きい目、高い鼻、気に入った顔でSNSに写れたら。

 だが、写真で満足いくほどのレベルに寄せて目や鼻を直してしまうと、実際に間近で見たとき、「うわっ、やっちまってる」が一目でわかる顔になる。でも、それを本人に伝えても、小直し派の人って「わかってもいい」って言うんだよな。「みんなやってる」って。久々の友達との再会で、実際これを経験した。

 ま、一般人でもこうなんだから、いまや女優なんて改良し放題。そして皆さん「うわっ」とはならない仕上げにそれぞれうまく持って行ってる。それもプロの仕事のうちですから。そんな中、1人だけ女優の仕上がりにはとても見えない、夏菜のビフォーアフター。ちょっと震撼。

 朝ドラ女優は、「その後」の恍惚と不安がそれだけ強いってことか。お大事に。

今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)、近著に『気になる「あそこ」見聞録』(新潮社)がある。

最終更新:2019/05/22 16:21
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