『モニタリング』、視聴率1ケタ転落は「ヤラセがなくなったから」!? 業界の“ねつ造遺伝子”とは
木曜夜の人気番組『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』(TBS系)に不穏なウワサが立ち上ったのは今年5月。制作を手がけるプロダクション「HI‐STANDARD(ハイ・スタンダード)の社長であり、番組の総合演出を務めるA氏が、法人税法違反容疑で東京地検に告発されていたことがわかったのだ。
同社長は2014年12月期までの2年間に、架空の制作費を計上することによって約2億7,900万円の所得を隠し、法人税約7,100万円を脱税したという。
「この告発を受け、A氏は税理士を通じて『当局の指導に従い、不足していた税額を納めるなど是正に努めております』とコメント。事態は収拾したかに見えましたが、企業コンプライアンスが問われるこの時代、甘くはありませんでしたね」(業界関係者)
A氏の名前、さらにはプロダクションの名前が、いつの間にか番組のエンディングで流れるスタッフロールから外されていたのだ。12年、深夜の30分枠でひっそりと始まった『モニタリング』。その開始当初から制作を主導していた、いわば功労者は、自ら招いた失態で、番組を去ることになった。
「SNSの時代、こういった悪評が流れるスピードが格段に速くなりました。あっという間に全国を駆け巡りますからね。その影響でしょうか、7月14日のオンエア分は8.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と、1ケタに転落。今まで11~12%が当たり前だった同番組では異常ともいえる事態です。代わってここ1年ほどレギュラー回では2ケタになることがなかった裏番組『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)が久しぶりに10.6%という好成績。少し潮目が変わってきたのもかしれません」(芸能ライター)
脱税問題の裏では、フジテレビの追い上げも始まっていたようだ。しかし、この一件は意外と根深いと語るのは、テレビ局のディレクターだ。
「脱税容疑をかけられたA氏が、もともと在籍していたテレビ制作会社は、日本テレワークです。ここはかつて、『発掘!あるある大事典』(フジテレビ系)の『ねつ造』事件を起こしたことで知られる、ブラックプロダクション。納豆のダイエット効果をでっちあげたことで、総務省が調査に乗り出し、結果的に放送打ち切りまで発展しました。番組を制作した関西テレビ放送はスポンサーに逃げられ、視聴者から苦情が殺到、社員の処分を余儀なくされるなど、当時大問題となったキッカケを作った会社なんです」
この騒動が勃発した07年、同A氏は自ら代表を務める「HI‐STANDARD」を立ち上げている。
「たびたびヤラセ疑惑がささやかれてきた『モニタリング』ですが、業界内には『そもそも総合演出を手がけていたA氏の中に、“ねつ造遺伝子”が組み込まれていたのかもしれないね』なんて言う人もいますよ」(前出・ディレクター)
現在は先述の通り、A氏もくだんの制作会社の名前も外され、一掃されたかに見える『モニタリング』だが、新たに生まれ変わったところで数字は厳しいだろう。裏番組『みなさんのおかげでした』との視聴率対決の戦況がどう変わるのか、注目していきたいところだ。