都知事候補3人の「見ているバラエティ番組」回答でわかった、フジテレビの立ち位置
――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!
◎触らぬ神に……
フジテレビの『バイキング』に出演した、都知事候補3羽ガラス。鳥越俊太郎VS小池百合子のバトルばかりが話題だが。バトルが終わっての終盤、「バラエティで見ているものは何ですか?」という質問に対する3人の回答の方が、見どころ満載だった気が。
『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)と、よりによって一番言ってはいけない番組名を高らかに挙げる増田寛也。聞いてないのにコーナーごとに熱く語る。「あと『なんでも鑑定団』(テレビ東京)も!」とわざわざ付け加え。それ二番目に言っちゃいけないヤツね。
「時々出させていただいて。皆さんと楽しく。出演させていただいて。オホホ」と、番組名が出てこないのをごまかし、変なアピールを盛り込む小池。百合子はタダじゃ起きないの。
「『僕らの音楽』はMCやって、『ごきげんよう』は4~5回出演した」と、すでに終わってるフジの番組の話ばかりする鳥越。「それと、TBSの『プレバト!』」ってやっぱり他局。『僕らの音楽』も、あれMCじゃなくてインタビュアーだしな。
ここで「『優しい人なら解ける クイズやさしいね』と、『日曜ファミリア』、あと『とんねるずのみなさんのおかげでした』を欠かさず見てます!」なんて、すらすらフジの番組が出てきたら、票数に影響が出かねないという判断か。いや単なる素か。
どちらにしても、今やってるフジの番組を見たこともないという3人の中から、新都知事が誕生する。たぶん。
◎ご冥福をお祈りします
大橋巨泉、逝く。いろいろ眉をしかめられることも多かった、昭和の困ったちゃんであったが。とりあえず「長い癌闘病、お疲れ様でした」となるはずの空気が、奥方のコメントの「最後の在宅介護の痛み止めの誤投与が無ければと許せない気持ちです」の記述のせいで、何だか微妙にざわ……ざわ……。
「闘病生活に“アッパレ!”をあげてください」だけにしといて、誤投与うんぬんは、また別でやりゃあいいのに。
本人の言ではないものの、同時期に亡くなった同世代・永六輔との違いが、最期の最後に何となく浮き彫りに。こういうとこが、ねぇ……。
◎覚えておきたい豆知識
医療ミスで訴えられた慶應義塾大学病院。規模は違えど、私も以前エラい目に遭ったことがある。
割と大きい手術を受けたのだが、縫合場所に大きな間違いがあり、数時間後大出血。しかしスタッフがあまりおらず、誰も気づかず肺水腫に。ICUに担ぎ込まれ再手術となるも、担当医と連絡取れず。そもそも院内に主要な医者がほとんどいない。ちなみに担当医はヨット乗りに行ってたらしい。ま、昔の話ですけども。
今の慶應病院がどんなか知らないが、これだけは言っとく。1月10日の慶應病院には近づくな。「福沢諭吉記念日」で、院内には誰もいないぞ!
今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)、近著に『気になる「あそこ」見聞録』(新潮社)がある。