スピードワゴン・井戸田潤、自称「あげまん」を憎悪する姿に見る“威張る男”の真意
かねがね、バラエティー番組で、なぜ井戸田はこんなに威張っているのだろうと不思議でならなかった。井戸田と言えば、前妻は安達祐実だが、『ナカイの窓』(日本テレビ系)で離婚について「いまだに理由がわからない」と語っていたことがある。しかし、安達の妊娠中に元カノとホテルで密会しているところを写真週刊誌に撮影されているし、浮気性だとも報道されていた。こうした女性問題は、離婚を決意するのに十分な理由だと思うが、そこはチャラのようである。ちなみに離婚の際、井戸田は安達に「もっと大事にしてくれるかと思った」と言われたそうだ。
また井戸田は、『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)において、高橋真麻が「ごはんをおごってくれる人でないと続かない」と発言したことに対して、「おごってくれて当たり前という感覚じゃん」と反論したが、真麻はご馳走してくれる男性と付き合いたい、もしくは付き合ってきたと言っただけで、「全ての男性がおごってくれて当然」とまでは言っていなかった。浮気をしておきながら、安達からの三下り半に驚いたり、真麻の発言への返しといい、井戸田は女性から「リクエスト」されることが嫌いなのではないだろうか。井戸田が、相手の女性に金を出したくないというよりも、「オンナに決定権はない、それなのに離婚の要求をしてきたり、食事をおごれというなんて言語道断である」と思っているように感じられる。
さて、最後に「あげまん」問題をもう一度考えてみよう。あげまんのおかげで井戸田は成功したのか、井戸田の言う通り、自らの努力によって成功したのか。考えても答えは出ない。なぜなら仕事が来ることに明確な基準がないからである。事務所が強い、有力者に気に入られた、ライバルがコケてチャンスがやってきたなど、ざっと考えても、たくさんの理由が思い当たるし、仕事が来る理由を確認するすべはない。そういう意味で、あげまんも努力も、どちらも成功の理由としては正しくないのである。
しかし、ただ1つ言えること。それは、あげまんを自称する女性も、井戸田のように「オンナごときに威張られてたまるか」とでもいう気持ちから「努力」だと主張する男性も、「性別にあぐらをかいている」ということである。女性器にナニを入れたぐらいで運勢が好転するほど、世の中は単純ではないし、オンナだからオトコに従うはずと性別だけを根拠に関係性を決定すれば、突然離婚されても無理はない。
「あま~い!」は、スピードワゴンの代表作とも言えるネタだろうが、一番甘いのは、井戸田本人と言えるのではないだろうか。
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、また8月2日に『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)発売予定。
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