夢の美肌マシーンは「ぼったくり」!?　美容クーポン客を引っかける“数字トリック”に要注意

潜入その2
やらずぼったくりとはまさにこのこと！／表参道・T
【メニュー】フェイシャル専門店！最強エイジングケア。HIFU 260shot！
【クーポン価格】1，820円円（89％オフ）

　最近、やたらクーポンサイトで目にするのが「HIFU」だが、一体どんな施術だろう？　と思っている人も多いのではないだろうか。筆者も興味本位でクーポンを購入した。

　店舗はとあるマンションの一室にあった。施術者は、美人だけれど、ちょっととっつきづらい印象の女性1人。その第一印象はズバリ当たっていたようで、なんとも面倒臭そうに施術内容を説明しだした。HIFUは、高密度焦点式超音波（High Intensity Focused Ultrasound）の略称で、超音波を利用し、メスを使用せずに身体深部を刺激するという医療器具の1つ。ピンポイントで脂肪細胞にダメージを与えることで、たるみやシミのケアに効果を発揮するそうだ。定期的に施術を行えば、コラーゲンやエラスチンの生成も促進され、10歳以上お肌を若返えらせることにも結びつくのだとか。エンダモロジー同様、筆者のようなおばさんには、夢のようなマシーンである。

　さて、HIFUの説明が終わり、いよいよ施術……と思いきや、なにやら計算をし始める施術者。一体何をしているのだろうと訝しがっていると、なんと「クーポンですと、260shotなので1回のパワーを計算すると、ざっと13“回”になりますね」と言い出すではないか。さっき散々パンフを見せながら、「100“回”ぐらいで、ほうれい線が薄くなり、シミもキレイになりますよ」と言っていたのに、13“回”とは？　よくよく話を聞いてみると、クーポンにあった「260 shot」とは、「260回」ではないそうで、いわく「お客さま、十数“回”ですとほとんど効果がわかりませんので、あと10“回”を特別価格4000円で追加できますがいかがですか？」。

　おいおい！　4，000円で、たった10回とは!?　追加で4万円かけなければ、効果がないなんて……。とてもじゃないけど払えないので、にっこり笑って、「試してみたいだけなので」とお断りすると、施術者は「とっと終わらせて、次の獲物（客）を狙いたい」という空気を全身から出し始め、「……では、横になってください」と施術台の上へ上がるよう筆者を促した。

　そして、顏に何を塗りたくり始めたので、「あの、成分は？」と聞いてみると、ムッとした声で「これ、クレンジング系です。クレンジング」。成分を聞いているのに、この答えとは、自社で使っている製品をよく知っていないのだろうか？　

　いよいよHIFUの施術へ。感覚としては光脱毛に似ていて、ピカッと光ると、ゴムで弾かれたような痛みが走った。それを10回ほど繰り返され、たったの3分程度で終了。その後、「10分間」と説明されていたはずのファィシャルトリートメントは、5分程度に短縮され、あっと言う間に全工程が終わってしまった。合計で45分の施術と聞いていたのに、サロンにいたのは約15分……。ようは、4，000円で追加施術か、施術を続行する客以外は価値なしなのだろう。

　たとえ1，820円のクーポンとはいえ、実際のお値段は1万6，848円で販売している商品なのだから、それなりの満足感をお客に与えてほしい……もしくは、サイトに「260shot」の説明をしっかり書いておくべきである。今後「HIFU」の文字を目にしたら、必ず「何回ぐらいできますか？」と聞くぞ！　と胸に誓った筆者であった。

クーポン満足度評価／－☆×100
リピーター思案評価／－☆×100000
※久しぶりに激怒しそうになったサロンでした……

吉原杏（よしわら・あんず）
大阪生まれ、大阪育ち。好きなモノは小銭。好きな場所はリサイクルショップに100円均一。美容・健康オタクとしてプチ整形、数々のダイエット法に挑戦したことも。数々の携帯小説家、『株一年生～ゼロからわかる株の教科書～』（オープンアップス）などのアプリ作家として活動。

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