カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「nina’s」7月号

「nina’s」の“パパのいる日”特集が、パパへの接待企画になっても自然に受け入れられる理由

2016/07/04 21:00
「nina’s」2016年7月号(祥伝社)

 2カ月に1度のママたちのオシャレ梅雨前線、「nina’s」(祥伝社)。いつもと同じく今号も、生活感のない暮らしに憧れるママたちにクリエイティブの雨を降らせています。特集は「パパのいる日・いない日、HAPPYかぞくのリアルな過ごしかた」です。リードによると、「パパがいる日は思い切りアクティブに、パパがいない日は忙しく賑やかな子どもとの時間の中でちょっとだけ息抜きを。そんなメリハリがママにとって欠かせません。パパがいる日もいない日も充実する家族時間の秘訣って?」。パパがいるなしで「充実する家族時間」の幅が変わるなんて考えたこともありませんでした。キャッチには「どこ行く?」「ご飯は?」「なに着てる?」。え……パパと一緒用の服とかあるの!?

<トピックス>
◎特集 パパのいる日・いない日、HAPPYかぞくのリアルな過ごしかた
◎連載 ユキナんち。

■夫婦って似た者同士ですね!

 こちらの特集は、登場する読者夫婦の「パパのいる日の24H」「パパのいない日の24H」のタイムスケジュールや「パパ育児・家事参加率」が、インタビューや便利グッズとともに紹介されています。業種はタレント(藤本美貴)、ミュージシャン(坂本美雨)、モデル、アートディレクター、クリエイティブ集団主宰者……。愛読者が大好きそうなラインナップです。

 「平日はパパが多忙で家事育児にあまり参加できない」というのが前提。この特集は、その中で「ここまでやってくれるんです~」とイクメンのカードを切り合うゲームです。もちろん“パパの家事育児負担が少なくてママがつらい”という話は一切なく、「パパに家事をしてほしいとは思わない。全力で子どもたちと遊んでほしい!」「おうちでは『パパらしい』で無理なく家事&育児」など、いかに気持ちよくパパたちに働いてもらうかに腐心するママたち。パパとママでベビーカーを変える(パパにはごつくてカッコイイものを……)ご家族まで。どこから見ても、パパへの接待企画です。

 たとえばモデルのワーキングママ。「お願いしなくてもいろいろやってくれるようになった」というパパがいる週末の午前中になにをするかというと、「コンロ3つをフル回転し、常備菜づくり」。有機とうもろこしのポップコーン、リンゴ酢のピクルス、豆腐ハンバーグのたね、高野豆腐を黙々と仕込むそう。「主人は平日お弁当が必要で帰宅が遅くても必ず家で夕食を食べるので、作り置きがないと大変」とのこと。さらに休日の子どものお昼寝タイムは「自家製シロップソーダ割りでパパとひといき」が至福。パパ、夜中にこってりラーメンを食べて帰ってきたい時はないのですか……?

 「得意な手作りオモチャで雨の日もHAPPYに過ごす」「息子のものはレンジを使わない」「手作りロウソクを灯して離乳食調理中もテレビいらず」というガチの自然派ママもなかなか。「どんなに帰りが遅くてもパパが毎朝洗ってくれる布オムツで、パパのいない日も自然派な育児生活を自分流に楽しみます」。パパ、「パンパースってエエな」と思ったことはないですか……?

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