SUPER JUNIOR・カンイン、超新星……飲酒大国・韓国は、芸能人の飲酒管理もガバガバ
5月24日、日本でも人気のK‐POPアイドル・SUPER JUNIORのカンインが飲酒運転事故を起こし、書類送検された。警察の発表では、事故当時のカンインの血中アルコール濃度は0.157%で、免許取り消し水準の0.1%よりも高かった。カンインは2009年にも飲酒が絡む暴行、当て逃げ事件を起こし、謹慎、入隊を経て12年にグループに復帰した。30歳を過ぎ、やんちゃだった彼もすっかり丸くなったといわれていたが、思慮や分別に欠ける性格は最初の事件の時とまるで変わっていなかったようだ。
彼のほかにも超新星・ソンモが入隊直前の今年2月、韓国で飲酒運転事故を起こした。飲酒運転事故のみならず、韓国のタレントが15~16年にかけて起こした、飲酒が絡むトラブルは40件近くにのぼる。
韓国保健産業振興院の15年の発表によれば、韓国は世界で16位、アジアでは1位にランクインする飲酒大国。同調べによる国内酒類市場規模は34億5,200万リットル。ちなみに15歳以上の1人あたりの年間アルコール摂取量は世界水準で6リットルほどだが、韓国は約12リットルと2倍だ。
芸能界以外でも飲酒が絡んだ事件、事故も多く、韓国のネット上では「野蛮な国だから自制が利かない」と、自国に対し批判的な声も多い。一方、酒好きたちは「飲まないとやってられない」と主張する。
「韓国は、食事も満足にとれなかった経済危機時代、つらい生活から目を背けるため酒に走る人が多かったようです。その頃の飲酒文化が今でも受け継がれているのかもしれません」(韓国文化研究者)
練習生時代から生活を厳しく管理され、デビュー後もハードスケジュールに追われる韓国のアイドルたちがストレスを感じていることは間違いない。アイドルたちはデビューした後もメンバーと宿舎で共同生活を送るが、20代後半くらいからは宿舎を出て、1人暮らしをするケースが多く、スタッフやメンバーの監視から離れたこの頃から、酒や女遊びに溺れていくアイドルがフエていくようだ。
かつて日本の芸能界でもジャニーズ事務所所属アイドルの飲酒騒動が世間を騒がせたが、韓国芸能界に比べると飲酒スキャンダルの数はかなり少ない。そうした部分でも、韓国のネットユーザーが言う「自制が利かない国民性」が現れているのだろう。
韓国警察の発表では、14年度の飲酒運転摘発数は約1万5,000人。政府は数年前から飲酒運転の取り締まりを強化し、16年4月25日には取り締まり基準である血中アルコール濃度を0.05%から日本が02年から実施したのと同じ0.03%に強化した。また、運転手に酒を提供した者にも罰が課せられるなど、周辺への取り締まりも強化している。
しかし、芸能人は飲酒に対する危機感が薄いように感じられる。
「社会が“酒を飲むのは仕方がない”と飲酒に対して寛容なのは間違いありません。また06年、当時、東方神起のメンバーだったジェジュン(現JYJ)が飲酒運転摘発から1カ月後にコンサートに出演するなど、所属事務所の飲酒トラブルに対するペナルティは非常にゆるいといえます。超新星のソンモも入隊直前の事故でしたから、謹慎から入隊という韓国芸能人の“鉄板の禊”を経て、除隊後は何事もなかったように活動を再開するのは間違いないでしょう」(芸能プロ関係者)
芸能界に蔓延する飲酒のモラルの欠如が解消されない限り、いくら法律による罰則を強化してもこの問題は解決しないだろう。