【連載】夫の不倫相手を訴えた! 実録「慰謝料請求裁判」体験記17

「結婚して、家族になっても、やっぱり他人」夫が不倫相手に送った手紙の中身

2016/05/12 15:00
furin17_mini.jpg
Photo by Barry Silver from Flickr

 こんにちは、まほです。結婚4年目にして、夫の不倫が発覚。その日を境に、今まで送ってきた生活は、がらりと大きくありようを変えました。その顛末記です。

■夫の不倫相手は控訴してきた

 夫の不倫相手、さなえ(仮名)を相手取って起こした慰謝料請求裁判。被告人欠席のまま、第一審の判決が出されたものの、なんとさなえ側は、それを不服として控訴してきたのです。ならば、欠席などせずに、きちんと法廷で自分の考えを主張すればよかったのに……と思いつつも、ほっとしました。というのも、今まで完全に無視を貫いてきたさなえでしたが、ようやくここにきて、こちらと向き合う姿勢を示したのです。そして、こちらに向き合って法廷という舞台で一連の出来事を審議すれば、法的にはこっちが圧倒的に有利です。

 さなえが責任を取らない唯一の方法は、ひたすらに無視を決め込み、判決が出ても、慰謝料請求の時効まで逃げ切ることでした。わたしとの根競べになりますが、わたしだって、できることは限られています。職場を変えて引っ越しされてしまえば、探偵を雇うしかありませんし、では、またお金をかけてそこまでするのか、となると、無理な気もします。

 しかし、さなえ側にも負担がないわけではありません。これから先、別の人と恋愛をしたり、結婚をしたり、就職したりするたびに、「バレやしないか」「突然、差し押さえがこないか」という重荷を抱え続けることになります。恋愛をして、その相手が既婚者だったからといって、慰謝料を取られるだなんて、きっと、「なんで自分ばっかり」と、理不尽で悔しいと思います。けれど、もう少し早く、きちんとこちらと対峙していれば、もっとダメージが少なくて済んだはずなのに、と相手の事ながら考えてしまいます。


■「控訴理由書」にはわたしの知らない事実が……

 さて、控訴することを決めた場合、まずは判決が出てから、2週間以内に、裁判所に控訴状を出すそうです(2週間たつと判決が確定してしまうので、もう控訴はできません)。裁判所がその訴えを棄却しなかった場合は、控訴人(さなえ)、被控訴人(わたしです)ともに、二審の期日が通知されます。通知された期日は、約3カ月後でした。また長い“待ちの日々”を過ごすこととなります。

 が、その間に、何もないわけではありません。控訴人は、控訴から50日以内に、一審判決の取消または変更を求める具体的な理由を書いた「控訴理由書」を裁判所に提出します。弁護士を通して、わたしのもとに、さなえサイドの主張が書かれた「控訴理由書」が届いたのは、控訴の知らせを受けてから、50日を数日過ぎた頃でした。

 そこには、
・関係がスタートした際には、交際相手の女性がいるとは知らされていなかったこと。
・交際して数年経った頃、突然、「別の女性と結婚する」と知らされたこと。
・その後も、恋人同士として関係を続けることを互いに、同意したこと。
・むしろ、交際に積極的だったのは、男側であったこと。
・不倫の事実が明らかになった後も、男側から連絡があり、交際が継続した。
 といった主張がされておりました。もちろんこれらは、わたしが知っている事実とは違っています。

 正直なところ、わたしが知っている事実は、夫や夫の友人たちから聞いたものであって、それが本当に真実であるかは、わかりません。もしかして、さなえが主張している事実こそが真実かもしれない……と考えると、なかなかキツイものがあります。しかも、「控訴理由書」には、さなえの主張を裏付けるものとして、夫からの手書きの手紙が数通、証拠として添付してありました。


手紙