「平野レミさんトーク&サイン会」イベントレポート

「みんな私が出産したんだから!」平野レミが明かす、“斬新すぎるレシピ”が生まれる舞台裏

2016/05/23 13:35
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絶好調の“レミ節”に場内は大爆笑!

 キャベツ一玉丸ごと使った「ドッカーン!春キャベツ」や、ジャガイモの上にひき肉や玉ねぎを豪快に乗せた「食べればコロッケ」など、数々の斬新すぎる料理を世に送り出し、老若男女に愛される“料理愛好家”の平野レミ氏が、先月7日『わたしの和だし』(ナツメ社)を出版した。4月29日には、本書の刊行記念として、紀伊國屋書店新宿本店で「平野レミさんトーク&サイン会」を開催し、会場に詰めかけた“レミファン”に、本書執筆への思いや、料理における“だし”の重要性、レシピ考案の舞台裏などを、用意されたイスに「大丈夫!」と一度も座ることなく熱弁。今回は、そんなレミ氏のトークショーの様子をレポートする。

■だしを使う人の少なさに衝撃!?

 「立派なことやってないの! 普通の主婦ですから!!」。司会者から「自己紹介をお願いします」と振られ、開口一番そう口にしたレミ氏。早速のレミ節に会場からドッと笑いが起こり、レミ氏の人気は、こうした“親しみやすさ”がゆえだと思わされる。レミ氏は、“料理研究家”ではなく“料理愛好家”を自称し、好きだから料理をやっているというスタンスなのだという。

 レミ氏が今回出版した『わたしの和だし』は、自身が考案した万能だしパック「わたしの和だし」を使った、簡単おいしい「だし」レシピが集められた1冊。カレーやパスタ、スープ、おでん、サラダなど、数多くの料理が紹介されている。レミ氏は、もともとダシに強いこだわりを持っていたそうだ。

「ダシっていうのはベース。何を作るにでもベースがちゃんとしてないとお料理がおいしくできないってのは、小さい頃から母親の様子を見て知ってて。私がいつも朝起きるときに、(母が)かつぶしを『カッカッカッカ』て(削っていた)。削り節が目覚まし代わりみたいな。そういうだしのおみそ汁を飲んで育ったの」


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“私のためのだし”を追い求めできあがった「わたしの和だし」

 レミ氏は、こうした原体験から理想のだし探しを続けていたものの、なかなかめぐり会うことができず、また一度にたくさんだしを取っても、夏場だとすぐにダメになってしまったなどの経験から、“私のためのだし”の開発に乗り出したのだという。ところが、司会者からの「皆さんはだしを使っていますか?」という質問に、会場のファンの手はまばらにしか上がらず。これにはレミ氏も「少ないね……少ない……」と呆然としてしまったが、「だし使わなくておいしい!?」「だし使ったら、後には戻れないよ! おいしいから!!」とだしを猛アピールし、客席の“だしを使わない女たち”も「今日から絶対使うしかない……」と決意をあらたにしていた。

 本書収録のだしレシピにも、同じように強い思い入れがあるといい、オススメレシピを聞かれても「だからだからだからさ! みんな私が出産したんだから! どの子がいいとかさ、どの子がまずいとかないの!!」とのこと。ただ、簡単にできるものとして挙げたのが、「和だしチャーハン」で、「(「わたしの和だし」の袋をやぶって中身を)パラパラっと振ってチャーハンにしたら、めっちゃおいしいの!」「これ即興でやったの!」と、レミレシピは忙しい&大雑把な女性にもうってつけのようだ。

『わたしの和だし』