神頼みっていうか仏頼み

「坊主バー」でのご縁は結ばれるのか? アラサー独身女子が出会いのパーティーに参加してみた

2016/04/19 15:00

■お坊さん、登場!

 当日キャンセルした2人以外の5名が揃い、午後8時頃にスーツにメガネ、オールバックの、50代に見える男性が入店した。「キャンセルがあったから、飛び入り参加かな」と思っていると、スタッフが「今日のお坊さんスタッフ、日蓮宗の○○上人(以下、上人)です」と紹介。上人は袈裟をはおり、私たちが想像する「お坊さん」の姿に近づいた。

 上人を含め、あらためて全員で自己紹介。先ほどのペアの男性Cさんは介護系、女性Dさんが会社員だということ、上人がお寺の住職をしながら、刑務所の教戒師や仏教テレフォン相談室などの社会活動をしていること、そしてスマホゲームの「ツムツム」にハマっていることなどが明らかとなった。

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木魚の音に癒やされる

 8時半頃、「あみだくじ」で席替えが行われた。仏教グッズに囲まれていると、「これは阿弥陀如来にかけているのか……」と、なんでも仏教に関連付けをしたくなる。それはともかく、今まで離れて座っていた人とも話せるチャンスである。

 私は男女一緒に来たCさん、Dさんの近くに座ることができた。語学教室で知り合ったという2人は友人同士。海外留学経験のあるCさんは、留学時に撮影した写真を見せてくれた。Cさんに連れられて初めて店に来たDさんは、日本酒に詳しく、お酒が好きな筆者にマメ知識を伝授。


 そんなフレンドリーな雰囲気の2人に、今日のパーティーに参加した目的を聞いてみた。Cさんは、面白い人と出会って見聞を広めるため。「すぐに(恋人に)出会いたいのなら、合コンに行けばいい」というDさんも、結婚や恋愛につながる出会いを切実に求めて来ているわけではないそうだ。

 そしてパーティーのシメは上人の仏教法話。教戒師として医療刑務所での葬儀や、少年院でも子ども向けの仏教法話などを行う上人は「先祖をたどれば全て親戚。つながりを実感していれば、全ての人を大切にすることができる。だからこそ、先祖供養は大切」と語り、参加者一同は神妙な雰囲気で頷く。法話の後はみんなで記念撮影。店内は上人を中心に和やかな空気に包まれていた。

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記念撮影

■煩悩は、ない……しかし

「今日はいろんな人と話せて、本当に楽しかった。なんか忘れてる気もするけど」

 他のパーティー参加者がいうように、ガツガツした感じもなく、参加者らとプレッシャーなく話せたが、「出会い」というには、なんだか物足りない。会話のほとんどが仕事や趣味などの話で、恋愛や結婚につながる気配がないのだ。


 どこか納得しない思いで会計の準備をしていると、連絡先の交換が自然発生的にスタート。「やっぱりやることはやるのね!」どこかほっとした気持ちでLINEの登録を始めた。

[お坊さん便] 法事法要手配チケット (移動なし)