夫の不倫相手と間違えるなんて! 不信感を抱いた弁護士事務所の対応
「訴状」とは今回の件に関しては、「請求の趣旨(どんな判決を希望するのか)」、「請求の原因(なぜ請求するのか、事件の一連の流れ)」、「先方の責任(相手の行動のどこが、民法の定めるところによる不法行為に当該しているか)」、「損害(損害額と裁判費用の内訳)」、「結論(慰謝料を求める、という意思通達)」を、決まった形式で書いたもので、これに加えて、弁護士への「委任状」や、「証拠」(「陳述書」と呼ばれる、わたしと夫、それぞれが今回の事件の流れについて陳述したものや、さなえとの面会を録音したもの等)を用意し、 裁判所に提出するのが、訴訟の第一歩とのことでした。
その日はそんな説明を受けて帰り、後日、弁護士事務所側が作成した、「訴状」と「陳述書」の書面確認のメールが来ました。ところが、届いた「訴状」には、「原告」として、わたしの名前と住所が書かれていました。
訴訟に移ることが決まった時に、弁護士サイドには、「相手に、住んでいる場所なんて知られたくないんですが、そこ辺りはクローズで進めることができますか?」と尋ね、「それは大丈夫です」という返事をもらっていたのですが、この「訴状」というものは、先方の手元には届かないものなのか。
心配だったのでHさんに確認をしてみたところ、「先方にも同じ物が届きますね」とさらっと返されました。「相手方に住んでいるところを知られたくないんです」と再度、お願いしたところ、裁判所に確認をしてくれ、結果、「住所 不詳不明」という言葉で対応できると言われて一安心しましたが、これ、もしもスルーしていたら、先方に住所を知られていたっていうことです。その辺り、こちらが確認しなくても、きちんとしてくれるような弁護士事務所を選ぶべきだった、と再び後悔……もしも、皆さまが弁護士さんに何かを依頼することがあったら、きちんと納得できる事務所を探したほうがいいと、心から思います。
■ついに法廷で決着がつくと思ったものの……
それはさておき、こうして、弁護士事務所から裁判所へと提出した「訴状」は、裁判所から「口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状」とともに、被告であるさなえの元へと送られ、わたしの元へも、1回目の口頭弁論日の期日が届きました。
通常、この1回目の口頭弁論は、裁判所が被告の都合を尋ねずに決めるため、多くの場合、被告は欠席するそうです。代わりに「訴状」に異義があればそれを主張した「答弁書」を出す。それを受けて、2回目の口頭弁論は、原告被告(本人もしくは代理人)の両人が出席して、事実を確認していく、という流れになるそうです。
とうとう、法廷で決着がつく! さすがのさなえも、裁判所からの書類を無視するほど無知じゃない……と考えていた、わたしが甘かった。口頭弁論日の2週間ほど前、弁護士事務所から「先方が裁判所からの送達(送られた書類)を受け取っていない」という連絡が届いたのでした。
(まほ)