セックスの経験がないのは恥ずかしいことか? 「中年処女」の知られざる実態
何歳からをそう呼ぶのかは別として、「中年処女」は実は少なくない。処女のままでいる理由や背景はさまざまで、いわゆる「中年童貞」にある低スペック(非正規雇用、オタク、コミュ障など)のイメージとは少し異なるようだ。では、その知られざる実態とは? 当事者の声を聞いてみた。
■プライドが邪魔をして恋人ができない
そもそも中年処女は、男性と違って「シャレ」にはできず、カミングアウトはできないのが大半である。しかし、同級生などには明かすこともあるようだ。
「『処女です』って普通に言えるのは20代前半まででしょ?」
そう話すA子(44歳)は、両親と兄が弁護士の家庭に育ち、短大在学中から司法関係者との見合いは数えきれないほどこなしてきた。相手の実家にあいさつに行くまで進展したこともあったが、結婚どころかセックスにも至らなかった。
「古い考えかもしれないけど、新婚旅行までそういうことをしたくなくて拒んできました。結婚できなかった原因? それは私が悪いと今は思います。つい親や兄と比べてしまうので……。感じ悪かったんじゃないかなと」(A子)
司法試験の勉強も就職活動もせず、「弁護士の妻」になることだけを考えてきたが、そのこと自体は特殊とはいえない。
「短大の同級生には、似たようなコはけっこういましたよ。一族が医者のコもそんなもんだし、大学に編入して司法試験を受けたけどダメで、そのままずるずると親元にいるコとか。今の生活に不満はないけど、寂しいなあとは思います。将来の不安もなくはないですね」(同)
とはいえ、今も具体的な行動は起こしていない。実家が裕福なことで、かえってプライドだけは高いようだ。
■宝塚やBL好き、両親と同居
B子(42歳)の場合は、小さな頃から宝塚が好きで、典型的な「夢見る夢子さん」だった。母の介護を機に40歳で大手メーカーを退職。家事をしながら宝塚のDVDに癒やされる毎日で、やはり婚活はしていない。「両親も心配してるけど、今は何も言われなくなりました。むしろ気の毒に思われてるのかも」と明かす。
C子(47歳)は両親と同居の銀行員で、「腐女子」であることを職場では隠している。「我ながら(BLに対する)妄想はすごい。オカズにしてオナニーもしますよ」と笑う。
「彼氏がいなくて寂しい時もあるけど、今の生活は変えられないし、腐女子であることが誰かにバレるのもイヤですしね」(C子)