「結婚=幸せなのか疑問に思う」結婚・出産ラッシュの「AneCan」で押切もえが語る
ここまで言われる筋合いはどこにもないぞ、という怒りが読者にはないのか、それとも怒りがある上で「ゆるぎなき相方さんの地位」をキープできるなら食事くらいは楽勝という認識なのか、胸中が読めません。でもね、この企画名「相方さん定食」を見て思い出したのは、越智千恵子さんの『旦那さん定食』(主婦の友社)。胃袋掴んでも、結局は……ってことですよ。娘さんは離婚した元夫・おちまさとさんが引き取ったらしいので、きっと辻仁成さんみたく食事はおちさんが料理するんでしょう。そういう現実を見据え、「ムスコ飯」(辻さんの「週刊女性」連載)を読んで、お坊ちゃんたち出直してきな~!
■押切さん、愛を語る
これまで松岡修造さんやNONSTYLE・井上裕介さんなど、メンタルが強くてポジティブなタレントに、明るい生き方を仰いできた「AneCan」。今回は、違います。本気です。その道のプロであり、トップアスリートや各界アーティスト、企業経営などをクライアントにもつメンタルトレーナーや、働く女性のアドバイザー的書『上機嫌で生きる~なぜかうまくいく人の幸せになるクセ』(幻冬舎)が100万部のベストセラーになった著者などが登場し、「私たちの『幸せな人生の見つけ方』。」企画をお届けしています。
しかしながら中身は、「行動をていねいにすると、自然に心がこもり、幸せを味わえるようになります」「『~のせいで』ではなく、『~のおかげで』と言い換えてみましょう」といった、往年のベッキー的お言葉と、他誌や「AneCan」でも、何度も聞いたことがあるような焼き直し感が否めず。結局、こういったメンタル系は定型句になるんだと判明しました。
そんな「幸せ」について、偶然にもこの特集の次ページで映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』を撮った岩井俊二監督と押切もえさんが連載「SALON de MOE」で語っており、対談はこんな会話で締めくくれられます。
岩井監督)「完璧な結婚ってそもそもあるのかなと。みんなどこかで挫折しているはずで、それでいいのに、意外と世の中は許してくれなくて、いらぬ悩みを抱えているんじゃないかと。お互い充分幸せじゃんって、もうちょっと言い合える世の中になればいいな。そんな目線でこの映画と触れ合っていただけたらと思います」
押切)「私も独身で『結婚=幸せ』なのかなと疑問に思う部分もある中で、本当に大事なのは心のあり方で、絶対的な愛は存在するんだと肯定された気がしました。幸せは見出すものですよね」
「絶対的な愛」「肯定された」とは、会話がいきなり高次元で心配になりますが、見逃せないのは「結婚=幸せ」という公式に疑問があるとの発言です。結婚・出産に沸く同誌でこの言葉、なかなかに骨がある! 「AneCan」読者に刺さるのか甚だ不安ではありますが、トニセン最後の現役メンバーとして、その視点が同誌にあるのは非常に大切だと思います!
(白熊春)