「三谷の喜劇テイストがいい」「大河はオワコン」『真田丸』は成功するか? 視聴者100名に調査
NHK大河ドラマ第55作目として1月10日より放送開始となった『真田丸』。初回19.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、第6話までの視聴率は順に、第2話20.1%、第3話18.3%、第4話17.8%、第5話19.0%、第6話16.9%となっている。20%台は大河ドラマにおいて約3年ぶりの数字だが、第6話で16%台まで数字が落ちたことにより、今後の先行きを不安視する声も聞こえてくる。
高視聴率男の呼び声が高い堺雅人主演、多くの大ヒットドラマや大河ドラマ『新選組!』でも脚本を担当した三谷幸喜を起用。草刈正雄、大泉洋、内野聖陽、長澤まさみら、大河ドラマらしい豪華キャストに加え、歴史シミュレーションゲーム『信長の野望』『三國志』(コーエーテクモゲームス)シリーズで知られるシブサワ・コウ氏監修の3Dマップに力を入れるなど、NHKの『真田丸』にかける期待は並々ならぬものがあるが、果たして大ヒットドラマとして完走できるのだろうか? そこで今回、『真田丸』の視聴者100名に、同ドラマの行方を調査した(Sagooooワークス調べ/調査地域:全国/調査対象:男女年齢不問/有効回答数:100)。
『真田丸』(NHK)公式サイトより
「『真田丸』は成功しそうか? 失敗しそうか?」という質問に対し、視聴者の83%が「成功しそう」と圧倒的に支持。その理由の多くは、
「主演が堺雅人だから間違いなく成功する、というか成功に導くと思います」(30代/女性/専業主婦)
「堺雅人は、『持ってる』人間だと思うので、成功も持ってきそうに思うため」(30代/女性/専業主婦)
「脚本が『新選組』の三谷幸喜さん、主演が今ノッてる堺雅人さんとくれば、面白くなるに決まってます!」(40代/女性/会社員)
「三谷幸喜さんの作品なのでストーリーも面白く俳優さんも素敵な方ばかり。成功すると思います」(30代/女性/無職)
「さすが、三谷脚本で、喜劇テイストも取り入れられてるので、単純に時代劇好きじゃない人でも見れると思います。キャストの喜劇色がやや強いし、コーエイの三国志ゲーム好きの三谷さんらしく、コーエイにも協力してもらうなんて、最高です。成功すると思います」(40代/男性/個人事業主)
など、堺、三谷に期待を寄せる声が多数。やはり『半沢直樹』(TBS系)や『リーガル・ハイ』(フジテレビ系)をはじめ、主演作を大ヒットに導いてきた実績を持つ堺と、『振り返れば奴がいる』『古畑任三郎』(ともにフジテレビ系)など、良質なドラマを生み出してきた三谷。両者が組む『真田丸』は鉄板なのかもしれない。
また、「脇役までしっかりと固めてあるので、この調子で行けるのではないかと思います」(20代/女性/契約派遣社員)、「主人公にはしっくりきていないのですが、放送されてみると、それ以外のキャストが予想以上に良くてわくわくします」(40代/女性/無職)といったほかのキャスト陣を褒める声のほか、「『花燃ゆ』など女性がヒロインになると厳しいが、男性が主人公ならいけそうだから」(20代/女性/会社員)、「前回の視聴率が悪かったから、今回は大丈夫でしょう。2回連続はないと思うからです」(40代/女性/パートアルバイト)、「メジャー路線に切り替えたのはよいと思う、たぶん成功するであろう」(30代/男性/会社員)と、主人公も物語も地味といわれ、全話平均視聴率12.0%の爆死に終えてしまった『花燃ゆ』と比較した上で、成功を予想する声も多く見られた。
では、残りの17%はどのような理由で「成功しない」と考えているのだろうか?
「しゃべり方が現代風すぎて、違和感を覚えました。また、会話が多すぎて大河の雰囲気が台無しのような気がしました」(20代/女性/無職)
「台詞回しや立ち回りが大河ドラマではなく、フジテレビのバラエティドラマに似た雰囲気があるため」(30代/男性/会社員)
「草笛光子さんなど、大女優が出ているのに、まったく生かされていません。また、大河ドラマにしては重みがなくて、まるで某ケータイ会社の昔話シリーズCMのようでした。本当に残念です」(40代/女性/自由業・フリーランス)
「大河特有の重々しさがまったく感じられません。三谷を使ったのが間違いですね」(30代/女性/会社員)
セリフ回し、コメディ要素など、三谷作品らしさが出ているが故に、大河ドラマには向かないと感じている人も少なくないようだ。さらに、中には「大河ドラマそのものがオワコンになりつつある。ストーリーに魅力がない」(40代/男性/会社員)、「いつもの大河の雰囲気に、やっぱりどこか似ているので、今の大河ファンは見続けるだろうけど、ただのドラマ好きは続けては見てくれなさそう」(30代/女性/会社員)といった回答も見られた。大河ドラマそのものに魅力を感じなくなってしまっている人も、世間には多いのかもしれない。
しかしながら、『花燃ゆ』から何作か遡ると、『軍師官兵衛』15.8%、『八重の桜』14.6%、『平清盛』12.0%と、視聴率低迷の続く大河ドラマとしては、『真田丸』の数字は今のところ上々といえるかもしれない。今後、20%超連発の視聴率を叩き出し、大河ドラマ復活の起爆剤となってほしいものだが……。