ベッキー、ゲス乙女・川谷との不倫LINEに見る“無理やりポジティブ”という暗い素顔
忙しい、疲れた禁止宣言も同様である。日常生活において「忙しい」「疲れた」という言葉は、スケジュールや体調の説明であり、この言葉を使ったからといって「この人は心を亡くしている」「仕事に対する感謝がない」と解釈される可能性は低いだろう。
ベッキーは「お仕事への感謝」として、これらのルールを作ったそうだが、私には感謝というより、「仕事がなくなったらという不安防止策」に見えてならない。芸能人は売れっ子ほど、仕事がなくなったらどうしようという不安を抱えているように思うが、ベッキーは過度の不安を抱えていて、けれどそれを口に出すことができず、ネガティブ思考を打ち消すために、無理やりポジティブルールで上塗りしているように思えるのだ。先述のスタジオへのお辞儀以外に、早朝、仕事関係者の名前を呼んで祈るという習慣もあるなど、ベッキーのルールには、宗教がかったものが多いが、それも不安を打ち消すのに、何かの加護にすがっているように感じられる。
単なるネガティブとベッキー型ネガティブの違いは、単なるネガティブは、ネガティブなことを口に出すことで多少はすっきりするが、ベッキー型は本心を隠しているので、常に不安とストレスにさらされていることである。
川谷との流出したLINEのやりとりにおいても、「本心を言えない」ベッキー型ネガティブは健在である。川谷が「神様は割と試練を与えたがる」と不倫関係の自分たちについて嘆くと、「逆にいいタイミングで出会えた感ある」と無理にポジティブに答えてみせるし、離婚の話が進まないことも「大丈夫」「プラスだよ」と返している。
そして、クリスマスイブを一緒に過ごした翌日、ベッキーは昨晩を振り返って「ヒルズ族に教えたい、本当の幸せにお金はかからないって」と送っているが、今となってみると、この言葉は非常に意味深だ。なぜなら、不倫騒動の影響で、ベッキーは「お金がかかっている」からだ。CMが数本打ち切りとなって収入が減るのはもちろんのこと、違約金を支払う可能性も出てきている。それに対し、川谷は特にダメージはない。仕事が減るわけでもなく、妻との離婚も成立していないから、今のところ慰謝料を払うわけではない。婚姻期間が短いので、払ったとしてもたいした金額ではないだろう。「本当の幸せにお金はかからない」のだとしたら、それをできているのは、結婚したのに世間に存在を隠されても文句を言わず、バンドの裏方作業を支えてくれる妻を持ち、ベッキーの心と体を自由にしていた川谷なのではないだろうか。
ベッキーは釈明会見を開き、「友達です」と不倫関係を否定したが、LINEのやりとりや正月に川谷の実家に旅行に行ったことを考えると、苦しい言い訳だろう。仕事第一のベッキーにとって最悪の事態となったわけだが、そんなベッキーに言いたい。本当のポジティブとは、思ったことを言えること、余計な我慢をしないことだと。
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。最新刊は『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)。
ブログ「もさ子の女たるもの」