カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「CLASSY.」2月号

「モテ男の年貢の納めどき」ページで、時代錯誤甚だしい価値観を普及する「CLASSY.」

2016/01/21 19:00
「CLASSY.」2016年2月号(光文社)

 「CLASSY.」2月号の特集は、「真冬の理想は『あったかい』けど『カッコいい!』」です。ムートンブーツの履きこなし、モサく見えない重ね着指南、高機能防寒インナーの紹介など、非常に実用的な内容ですが、ただ残念ながら今年は暖冬。「ヒートテックの小汗ムンムン対策」の方が求められそうな気温が続いています。

 とはいえ、1年で一番寒いこの時期は、クリスマスや新年会などで出かける行事も多い。合コンで、パーティで、デートで「頑張りすぎな露出」にならず、かといって「バッチリ着込んだ防寒スタイルで色気ゼロ」も避けたいワガママ女子たちに向けているのが、「シーン別『あったかキレイなお出かけ服』正解集」です。最近は、こなれこなれとうわ言のようにつぶやき、「可愛い」を目の敵にしてる「CLASSY.」ですが、こういう企画にはつい本音が漏れるもの。合コンには「ふんわり可愛い淡ピンクのモヘアニットは優しげな雰囲気が男のコウケ抜群!」だし、初デートには「一枚で可愛く決まるニットワンピは、真冬のお出かけに重宝。冬の景色に映える白ダッフルコートをはおって、女のコらしい魅力を際立てて」と。ニットワンピ、白ダッフル、ロングブーツが最強の冬の初デート服だとするなら、モテにトレンドもへったくれもあったもんじゃないですよ!

<トピックス>
◎特集 真冬の理想は「あったかい」けど「カッコいい!」
◎Sサイズだからできるオシャレ全部!
◎モテ男の年貢の納めどき

■頭ポンポンとかされちゃう感じ~

 さて今号、特集は控えめなボリュームで、代わりにいつもはない「第二特集」があります。それが「Sサイズだからできるオシャレ全部!」。ネタが薄いファッション端境期だからこそできる「Sサイズ」縛りですが、ヘタすると第一特集より読み応えがあります。

 先ほど、昨今の「CLASSY.」が「可愛さを目の敵にしている」と書きましたが、このSサイズ特集ではその限りではない様子。タレント・小島瑠璃子が登場するページでも、「冬場に悩ましい着ぶくれ問題は逆手にとって、Sサイズならいっそ着込んでしまうと可愛らしさアピールできます」「『小柄なコほど着られている感がいい』とラブコールの多いゆるニットは、スキニーボトムを合わせてゆるさをさらに強調することで、可愛さを倍増させて」と、可愛い可愛いのオンパレード。

 極め付きは、「男はやっぱりSサイズが好き!?」。タイトルからして挑戦的ですが、リードによると「好きな女性のタイプは“スタイルのいいコ”“すらっと背の高いコ”という男性の声、よく耳にする気もしますが、実はそれって少数意見なのでは…? そんな仮説を元に、この企画ではむしろ『Sサイズ=モテる』説の真偽を検証します」とのこと。まずは「数字からの検証」。26歳~39歳の男女それぞれの平均身長が171.4cmと158.1cm。そして「(男性に聞いた)彼女との理想の身長差」で最も多かった答えが、「10cm以上」で31%。この2つの数字から「つまり150cm台っていちばんモテる身長なんです!」と、大胆なモテ理論を展開する「CLASSY.」。生物学者の先生は、背が低い女性が好まれる理由を「生物としての必然性」「小さい=可愛いというイメージの刷り込み」「男性の草食化」ともっともらしい説を挙げています。

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