「AVはファンタジー」 人気AV男優が語る、性感染症について知る重要性
12月1日は世界エイズデー。毎年、各地でエイズの予防啓発イベントが実施されているが、11月29日に国立国際医療研究センターで、「Tokyo AIDS Weeks 2015」のイベントの一環として「AV男優、セックスワーカーらによる、プロが教える楽しい性教育講座。」が行われた。不特定多数の相手とのセックスが仕事であるAV男優が啓発イベントに参加するとは、一見矛盾しているようにも思えるが、意外にも真剣で熱いトークが繰り広げられた。
男女半々、年齢層は30代くらいから上がほとんどという客でほぼ満席の会場に、現役AV男優の吉村卓さん、ムータンさん、森林原人さん、野島誠さんが登場。普段は裸の印象が強い男優たちだが、この日はスーツでビシッと決めていた。
冒頭から森林さんが「AVはファンタジーです」と、はっきりと断言。「18歳以下はAVを見てはいけないことになっていますが、ネットが普及したため、現状は誰でも見られるようになっています。分別のつかない若い人が見た場合、それを本物のセックスだと思い込む場合があります。しかし、AVはショーであることを分かって見ていれば、よくある『AV男優のマネをして女の子を傷付けてしまった』ということは防げます」と述べ、AVは大人の娯楽であることを伝えていくべきだと熱弁した。
■性感染症は時として命に関わる病気
今回のメインテーマである性感染症の話題で、ユニークなキャラを発揮したのが健康オタクの野島さん。普段は人前で話をすることが苦手だという野島さんだが、立ち上がって一歩前に出ると、性感染症にはHIVやヘルペスをはじめとするウィルス系と、クラミジアやカンジタといった細菌系の大きく2つに分かれることを詳しく話し始めた。
野島誠さん「HIVのみを恐れ、他の性感染症を甘く見ている人もいるかもしれません。しかし、ヒトパピローマウィルス(HPV)に感染すると、患部が炎症を起こします。その炎症を修復しようとして修復ミスを起こして、その細胞ががん化するんです。子宮頸がんや陰茎がん、舌がんなどが代表的です。クラミジアも、かかったら抗生物質を飲めばいいやという考えでは、何度も抗生物質を飲んでいるうちに耐性菌ができて、抗生物質が効かなくなってしまいます。そうなると、抵抗力が落ちているときや重篤な病気にかかっているとき、肺炎などで亡くなるケースもあります」
HIVだけでなく、他の性感染症も時として命に関わる病気であることを真剣に語った。イベント終了後には性感染症に関する自作の資料を配布するという気合の入れっぷりだ。
男優や女優は頻繁に性感染症検査を受けているとはいえ、潜伏期間もあるため完璧とはいえない。そんな男優たちが念には念を入れている予防法は3つ。第一にコンドームの装着。そして、B型肝炎やHPVワクチンの接種。もうひとつはうがい・手洗い・デリケートゾーン洗い。健康オタクの野島さんは、緑茶に含まれるカテキンの抗菌・殺菌作用を利用し、「撮影現場では、緑茶で手洗い・うがい・デリケートゾーン洗いをしている」と語っていた。
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