和田アキ子を男役に起用! 『世にも奇妙な物語』が物語る「フジ低迷の理由」とは?
21日、土曜プレミアム『世にも奇妙な物語2015年秋~傑作復活編~』(フジテレビ系)で、視聴者からの人気投票で選ばれた傑作選のリメイクドラマ5本が放送された。同企画は史上初の試みで、そのうちの一作品『ハイ・ヌーン』は特に話題を呼んだという。
「同ドラマは、1992年6月に玉置浩二主演で放送されましたが、今回はその役を和田アキ子が演じたんです。『和田が初めて男役を演じる』と大々的に宣伝されていましたね。ドラマの内容は、1人のサラリーマンが、場末の食堂で壁に貼ってあるメニューを左端から順々に注文、それを淡々と食べてゆくんですが、最初サラリーマンに無関心だった周りの客たちも、徐々に盛り上がり始め、お祭り騒ぎになってゆく。至ってシンプルな内容で、このサラリーマンの不気味さがドラマの見どころとなっています。人気投票で上位になったことからもわかる通り、玉置の怪演は大変な評判を呼びました」(芸能記者)
そんな『ハイ・ヌーン』のリメイクを、視聴者は一体どう感じたのであろうか。放送終了後、Twitterには、「ただ食べるだけなのに面白い」「なんかわからないけど、ヤバイドラマだった!」といった称賛する声が上がる一方、「リメイク失敗」「玉置版の方が100倍面白い」「ハイ・ヌーン劣化」といった声も噴出していた。
「ネット上の意見は賛否両論でしたが、マスコミ関係者の間で話題になったのが、『なぜ、サラリーマン役に和田アキ子をキャスティングしたのか?』について。プロデューサーの後藤庸介氏は、サイト上で『「ハイ・ヌーン」はある平凡なサラリーマンが奇跡を起こす話です。寂れた商店街に現れたヒーローの物語なのです。そんなスーパーヒーロー(男)に、和田アキ子さん以外のキャスティングは考えられませんでした』と語っていますが、理由になっているような、いないような……」(同)
あるテレビ関係者は、「話題性だけのキャスティング」と疑問を呈する。
「玉置が演じたサラリーマンは、尋常じゃない雰囲気と神経質すぎるほどのきっちりした食べ方、箸の置き方をする男。そんな彼と、応援する周囲の客とのギャップが面白かったんですが、男役を女性がやってしまっては、ただのコントになってしまい、世界観が壊れてしまった気がします。確かに、和田が男役を……というのは耳目を集めると思いますが、こういった本来の面白さを見失い、小手先の話題性を重視しているところが、今のフジテレビの視聴率低迷につながってるのでは? とさえ思ってしまいました。和田以外は、玉置版にも出演した六平直政が同じ配役でサプライズ登場したり、ベンガルが演じていた店主役を寺島進が演じたりと、絶妙なキャスティングだったんですが」
気になる視聴率は12.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、春放送の『世にも奇妙な物語25周年スペシャル~人気マンガ家 競演編~』の11.8%からアップしたが、14年秋の特別編の14.5%と比べると、1.7%ダウンしてしまった。
「和田ではなく、『痛快TVスカッとジャパン』(同)に出演している“イヤミ課長”こと木下ほうかだったらよかったのに……と語る関係者もいましたね」(同)というが、話題性優先のフジの低迷は今後も続いてしまうのだろうか?