グリーンカードは捨てろ!? K-POP外国籍メンバーがピンチ、“兵役”と国籍問題が再炎上
東方神起のチャンミン、SUPER JUNIORのシウォンが11月19日、入隊した。K‐POPアイドルの一時代を築いた人気グループのメンバーたちが続々と兵役に突入する中、ある歌手によって、アイドルの入隊にまつわる国籍問題が再び注目されている。
その人物は、ヒップホップダンス歌手のユ・スンジュン。現在38歳の彼は、1997年、デビュー曲「カウィ(はさみ)」でいきなり音楽チャート1位を獲得し、絶大な人気を得ていたが、入隊を3カ月後に控えた2002年、突然、米国市民権を取得。この行動を“兵役逃れ”と判断した韓国兵務庁は、ユ・スンジュンを入国禁止にする制裁を与えた。そんなユ・スンジュンが先月21日、韓国入国ビザの申請を拒否されたことを不服として、訴訟を起こしたのだ。
「ユ・スンジュンは韓国生まれですが、中学生の時に家族で米国に移住して、米国永住権(グリーンカード)を持っていました。02年に日本での公演を終えた彼は、そのまま米国に飛んで市民権を取得したんです。3カ月後に韓国での入隊が迫っていたにもかかわらず、韓国籍を捨てて兵役が免除される米国籍を手にしたのですから、意図的な“兵役逃れ”と思われても仕方のない状況でした。仁川国際空港で入国禁止になったときは大きな議論を呼び、ユ・スンジュンの韓国での歌手生命は完全に断たれました。翌年、婚約者の父親の葬儀に参列するために3日間だけ入国を許されましたが、韓国に入れたのはその一度きり。現在も入国禁止は解かれておらず、中国で活動を続けています」(韓流に詳しい芸能記者)
この一件を機に、海外の永住権や市民権を持つ芸能人への風当たりが一気に強くなった。韓国で芸能活動を続けるために、多くの俳優や歌手が米国永住権や市民権を放棄して入隊。元祖K‐POPグループのメンバーたちも例外ではなく、SHINHWAのエリックとアンディ、H.O.Tのトニー・アンが同じ道を選んでいる。
「小学5年の時に一家で米国に移住したJYJのユチョンも、04年に韓国でデビューしてすぐに『メンバーと同じになりたい』と米国永住権を放棄しています。永住権があると、韓国滞在に制約がかかって活動に支障が出る不便さもあったと思います。ただ、ユ・スンジュンの事件から2年しかたっていない時期でのデビューだったので、永住権を持ったまま韓国で活動を続ければ、いずれ兵役絡みで思わぬ非難を浴びるかもしれないというリスクを回避した点も少なからずあったのでは。2PMのテギョンも10年に米国永住権を放棄しています。しかも、彼はヘルニアの持病があるため、08年に軍務ではなく公的機関に勤務する公益勤務要員の判定を受けましたが、永住権を放棄後、2度にわたりヘルニアの手術を受け、左腕の骨折を固定したボルトの除去手術まで受けて、現役での軍務の資格を手にしました。もちろん本人の強い意思があってのことですが、そこまでやらなければ、韓国では認めてもらえない風潮があるのも事実」(同)
また、国籍を理由に兵役免除になったgodのソン・ホヨンやデニー・アンなどは、事あるごとにその経緯をネットなどにさらされている。一度ついた“兵役免除”のレッテルは簡単にぬぐえないのだという。
グローバルな活躍のために英語が流暢な海外育ちのメンバーを投入するボーイズグループが多いK‐POP界だが、永住権や市民権を放棄するか否かの選択は、兵役に就く覚悟を問われる、一種の踏み絵のようになっている。
「最近は、事前に国籍の問題をクリアにしてからデビューするグループが増えていますが、中には同様の選択に迫られる可能性のあるメンバーもいます。今回、ユ・スンジュンが起こしたビザ申請拒否による訴訟は、韓国では怒りを買う結果しか招いていない。静かにしていてほしいと思っている事務所関係者もいるみたいですよ」(同)
彼が騒げば騒ぐほど、海外の永住権や市民権を持つアイドルグループのメンバーたちは、いつ自分の身に火の粉が降りかかるかと、肝を冷やすハメになっているようだ。