アスリート界でお騒がせ連発の田中理恵に捧げたい、二代目◯◯の称号
――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!
◎そのポジションに需要ナシ
体操選手だった頃は、「美人アスリート」という形容がしっくり来た田中理恵。しかし現役を退き、何か男女関係でのゴチャゴチャが目立ち、体操協会からも煙たがられている今、その顔をよく見てみると、何だかどんどん相原勇化している気が。
目の見開き方とか細かなシワのでき方とか、そっくりである。男運なさそうな悲哀までカブッている。結構ヒドいことされても「かわいそう」「頑張れ」というベクトルが生まれないところも。
今一度上沼恵美子の番組に出てみたらいいかもしれない。それで上沼に「何なん、あの子!」と嫌われるようなら、晴れて二代目襲名決定である。イヤでも襲名してもらうんで、そのつもりで。
◎デジタル3D上映に期待
テレビ東京『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』が映画化。その名も『ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE』。
よくできた大喜利みたいな話である。映画の内容より、予告編が楽しみだな。「奴らが、今度は、映画館にやってくる! やつらのキャリアの、そのすべてが、泡と消える、信じられないアクシデントの数々! ヨースケ! ミカ! エビース! いつもの、あのノリが、バス時刻表だけでなく、台湾の磁場まで狂わせる! すべてはカメラの前で本当に起きた! その目で確かめろ! ローカル路線バスの旅 THE MOVIE!」って、大げさな効果音と思わせぶりな編集で、アメリカの超娯楽大作風なの作ってくれないかな。予告編だけ見に行きたいな。
◎イメージの混線
CMにも、必ず「脚本」というものは存在する。特に俳優・女優が登場するものは必ずだ。「風邪気味の母親を心配して家事を手伝い薬を差し出す娘(松嶋菜々子の「パブロン」)」とか、「夫婦と娘で新しいメニューの鍋に箸が進む(藤本美貴の「シチューミクス」)」等々。ま、そんなしかつめらしいものではないが、俳優女優が現場に入るとき、何をやるのか把握するため、最低限のシナリオは用意されている。
そういう意味で、見るたびに「これどんな設定なんだろか」と目が離せなくなってしまうのが、阿部寛が出ている「い・ろ・は・す もも」のCMだ。屋外の木の丸テーブルを囲み、「ももっももっ♪」とコールしながら楽しそうに手拍子を打つ阿部寛と数名の若い女性。「ももっももっももぉ~!」とコールがピークに達すると、頭上にある水の塊がはじけて商品が現れる、という流れ。
何してる設定なんだろうコレ。男性は阿部寛ひとりなので「合コン」って感じじゃないし、テーブルの上なんにもないから「食事」でもないし。CMのタイトルに「い・ろ・は・す 魔法のもも編」とあるから、ある種の呪術中ということなのだろうか。あー知りたい。
若い女のコたちに囲まれ、笑顔を振りまく阿部寛の姿を見ていると、昔の演歌歌手なんかがやってた「着物のお見立て会」を思い出すな。今はほとんどなくなったらしいが。「お似合いですよ奥様」っていう。今も語り草になるほど売り上げたのは羽賀研二らしいが。いい都市伝説だな。……惜しい人を。
今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)、近著に『気になる「あそこ」見聞録』(新潮社)がある。