人気声優が結婚をひた隠しにする理由とは? 「集客力がキャスティングに直結」の業界事情
現在、アイドル並の人気を持つ声優たちの結婚事情は、ファンの間で大きな関心事となっているようだ。
日本武道館をソロで満員にするほどの人気を持つ宮野真守は、YouTubeにて結婚と妻の妊娠を同時に発表し話題に。2011年に結婚を発表した坂本真綾と鈴村健一夫婦も、最近ではラジオなどで夫婦のエピソードを語ったりとオープンな姿勢で、2人を応援するファンも増えてきているようだ。また今年では『弱虫ペダル GRANDE ROAD』(テレビ東京)などの人気アニメに出演し、声優ユニット「Trignal」で歌手活動もしている代永翼がTwitterで結婚報告したことも記憶に新しい。
彼らのように堂々と結婚を発表する人々が増えてきた昨今の声優業界だが、一方で隠し続ける声優は大勢存在する。なぜ彼らは既婚者だということをひた隠しにするのだろうか? 声優業界関係者は次のように語る。
「理由は2つあると思います。まず1つは、単純に人気が落ちるからでしょう」
声優の仕事とは、主にアニメやゲームの吹き替えにあたるが、彼らの生計を維持しているのは、そこから派生する“イベント収入”だという。
「現在アニメなどのキャスティングは、声優自身が持っている『数字』が深く関わっています。つまり集客力ですね。特に、有名コミックが原作で、すでに人気を獲得しているアニメのキャスティングの場合は、原作人気+集客力が非常に重要になるんです。声優はイベントや握手会などでファンと直接触れ合う機会が多い。自分にどの程度の集客力があるかは把握できているでしょうし、結婚をしていることを公表すると、どう影響するかは理解しているでしょう」(同)
また、もう1つの理由は「事務所の対応力の低さ」だと言う。以前は裏方であった声優が、今ではライブ活動や顔出しのテレビ出演など、タレント並みの露出をしているが、それをサポートする声優事務所は、ほかのタレント事務所とは異なり、“タレントとしての声優”の対応に慣れていないのが実情だ。
「以前結婚をスクープされたO氏の場合は、事務所の対応が後手後手になってしまい、結局結婚公表の判断が、O氏本人に委ねられてしまった。その後O氏自身は結婚を否定しましたが、事務所からの回答は曖昧なまま。現在のタレントとしての声優人気に、周りを固める事務所スタッフの対応が追いついていないんです。だから、結局は自分の身は自分で守らなければいけなくなってしまう」(同)
独り孤独に戦わなくてはならない彼らだからこそ、結婚を発表して自由に自分を演出するか、結婚を隠し通して穏便に過ごすかは、本人の手腕次第と言えるのだろう。ますます加熱する声優人気だが、こうした業界の慣例は今後も変わらないのだろうか?