EXOの対抗馬だったB.A.P、事務所トラブルが終結!? 常態化した“奴隷契約”の行方
6人組韓国ボーイズグループ・B.A.Pが去る8月、9カ月にわたる所属事務所との紛争を終結させた。日本で“ポスト東方神起”と期待されているEXOと同じ2012年に韓国でデビューし、ダンス、ボーカル、ラップ共にスキルが高い実力派として新人賞をほぼ総ナメにしたB.A.P。EXOの強力ライバルと目されていたが、所属事務所とのトラブルで快進撃に急ブレーキがかかった。
事の発端は昨年10月、所属事務所・TSエンターテインメントが活動休止を突然発表したことから始まる。同年11月にリリース予定だった日本1stアルバムは発売延期となり、予定されていた南米と日本のツアーもキャンセルに。そんな中、11月26日になってB.A.Pは専属契約無効と精算金返還を求めてTSを提訴。彼らは「極端にギャラが少ない上に、契約期間が異様に長い」と主張して、“奴隷契約”からの解放を訴えたのだ。
「東方神起やKARAのようにメンバー間で分裂が生じて、一部がグループを離脱するケースが多いですが、B.A.Pは全員がそろって行動を起こした珍しい例。絆が深いともいえますが、それだけ我慢の限界だったのでは。そもそも以前から、K‐POPファンの間では『B.A.Pは働きすぎなのでは?』とささやかれていました。12年1月のデビューから約1年の間に、デジタル盤を含むシングルやミニアルバムなどを6枚も立て続けに発表。デビュー年が同じEXOは、デビューアルバムを出したきり、その間なんの活動も見せていなかったのと比較しても激務ぶりがわかります。また13年10月に進出した日本では、1年足らずで4枚もシングルを出し、日本やヨーロッパなどで海外ツアーも開催するなど、休む間もなく活動している印象が強かったですね」(韓国音楽記者)
一部の報道によると、12~14年の間に支払われたギャラの総額は1人当たり1,780万ウォン(約179万円)だったという。TS側は「練習生時代から投資してきた費用がかさみ、14年にようやく費用より収益が上回った」と赤字続きだった事情を説明して反論。つまり、「人気を獲得できたのは巨額の投資のおかげ。それを回収するためには、コマネズミのように働くしかない」というわけだ。TSの主張も一理あるが、疲弊したB.A.Pが新天地を求めたくなったのも理解できる。
「今年5月、係争中のB.A.Pが大手エンタメ企業のCJ E&Mに接触しました。専属契約について話し合われたはずですが、不発で終了。結局、移籍先が見つからず、8月にTSと電撃和解したんです。泣き寝入りでないといいのですが……」(同)
奴隷契約の常態化がウワサされるK‐POP界だが、B.A.Pの待遇が少しでも改善されたことを願うばかりだ。TSは今回の和解にあたり「こまやかな心配りでB.A.Pの明るい未来に向けて努力することをお約束いたします」と声明を出したが、活動停止中にもメンバーを待ち続けてきたファンのためにも、素晴らしいカムバックステージとなることを期待したい。