虚ろな目で「飼い犬なら殺して食った」! ジョニー・デップになにが起こった?
新作映画『ブラック・スキャンダル』で、ボストンの裏社会に君臨していた実在のギャング、ホワイティ・バルジャーを演じるため、老けたように見せるメイクを施し、ハゲヅラをかぶって、強烈なビジュアルになったジョニー・デップ。役作りもすさまじいが、作品の内容も衝撃的なもので、「イマイチな役が続いていたが、今回のジョニーは素晴らしい」と映画評論家の評価は上々。今月12日までイタリアで開催されている『ヴェネツィア国際映画祭』のアウト・オブ・コンペティション部門にもラインナップされ、4日に行われた記者会見には大勢の報道陣が駆け付けた。
その記者会見で、ジョニーは「水の都」として知られるヴェネツィア名物のゴンドラクルーズを愛犬と一緒に楽しむ予定はあるかと聞かれ、「あぁ……オレの飼い犬なら殺して……食っちまったよ。汗まみれで、はらわたを抜かれたようなオーストラリアの大男から、そうしろって直々に厳命されたんでね」とゆっくりと回答。虚ろげな表情のジョニーは冗談を言っているようには見えず、報道陣は戸惑い、まばらに失笑が漏れただけ。会場には、なんとも気まずい空気が流れた。
ジョニーが言う「オーストラリアの大男」とは、オーストラリアのバーナビー・ジョイス農相のことを指していると思われる。というのも、彼はジョニーに対して「お前の犬を安楽死させる」と宣告したからだ。
事の発端は、今年4月、主演映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ最新作『Dead men Tell No Tales』の撮影のためオーストラリア入りしたジョニーが、愛犬であるヨークシャーテリアのブーとピストルを申告せずに持ち込んだことにある。ジョニーはプライベートジェット機でオーストラリアに入国。規定通りに当局の検査を受けたのだが、愛犬の姿は確認されていなかったとのことで、意図的に隠して持ち込んだ疑いが浮上。もちろん持ち込み申請もしておらず、悪質だとオーストラリア当局を怒らせてしまった。なぜバレたのかというと、5月に地元トリミング店の従業員たちが、Facebookに「ジョニー・デップの愛犬です!」と写真を投稿し、たちまちネット上で話題となってしまったのだ。
オーストラリアは島国のため、動物や植物検疫には非常に厳しく、農相はジョニーがこっそり愛犬を持ち込んだことに大激怒。「検疫を通さずに持ち込んだ動物は殺処分する。“最もセクシーな男性”に2度も選ばれたセレブの飼い犬だとしても例外ではない」「ブーとピストルを50時間以内にアメリカへ送還しなければ安楽死させる」と警告。ジョニー自身も、最大で禁錮刑10年を食らう可能性があると報じられた。