カルチャー
これぞ少女漫画の金字塔

『ガラスの仮面』茶話会に見たファンの熱量―「紅天女問題」「月影先生の年齢」白熱の120分

2015/09/26 19:00
『ガラスの仮面(49)』(白泉社)

 「少女漫画の名台詞を1つ挙げてください」と言われたら、何を思い出しますか? 結構な確率で「マヤ……、恐ろしい子!」なんじゃないでしょうか。少女漫画は、大きな敵や謎に立ち向かって、何かを攻略したり達成したりするのではなく、ささやかな心理描写が重要になるので、覚えやすい端的な名台詞はあまりありません。そんな中、燦然と輝くこの台詞、皆さんご存じの『ガラスの仮面』(美内すずえ、白泉社)のものです。

 『ガラスの仮面』は、1976年から連載が続く、少女漫画の二大巨塔のうちの1つです(もう1つは、『王家の紋章』細川智栄子あんど芙~みん、秋田書店)。この作品は、幻の名作と言われるお芝居『紅天女』の主演を目指して、演劇以外はなんのとりえもない北島マヤと、有名監督を父に、大女優を母に持つお金持ちのサラブレッド・姫川亜弓が、演劇界を舞台に切磋琢磨するお話です。この2人を指導するのが、往年の大女優で唯一『紅天女』を演じた月影先生。ほかにも、表向きは大都芸能の社長で冷酷なビジネスマンだけれど、密かにマヤに紫のバラを贈ってはサポートをしている速水真澄や、1巻からずっとマヤのことが大好きな演劇少年・桜小路優といった個性的なキャラたちが脇をガッチリ固めています。

 東京都あきる野市にある「少女まんが館」では、不定期にて「小さな茶話会」というイベントを開催しています。『ポーの一族』(萩尾望都、小学館)『白いアイドル』(くらもちふさこ、集英社)など、毎回少女漫画作品をテーマに、ファンたちが語り合い、8月30日には、「小さな茶話会in鎌倉」と題し、カフェ「読ム読ム」カフェで、『ガラスの仮面』について語り合うイベントが行われました。

■「マヤ……、恐ろしい子!」の初出は?

「読ム読ム」には、厳選されたマンガがいっぱい!

 参加者は主催者含め14名。歴史のある作品だけあって、40代の女性がメインでした。この会では、『ガラスの仮面』の名場面を口にすると、全員が頷いて同じシーンを想像をしてくれる。また、作中の疑問を呈すると、誰かが答えてくれるという場面もあり、参加者にとっては『ガラスの仮面』を再発見できる場となったようです。

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