サイゾーウーマンカルチャーブックレビュー『福田萌のママ1年生。』はママになった高揚感まみれ カルチャー [連載]ここがヘンだよ子育て本! お勉強頑張ってきた系ママの“はっちゃけ”が詰まった、『福田萌のママ1年生。』 2015/09/27 21:00 ここがヘンだよ子育て本! 【第5回】 福田萌『福田萌のママ1年生日記。』(扶桑社) <総合評価(10点満点)> 「夫と私は先生と生徒の関係」度 ★★★★★★★★★★ 育児ネタおスベリ度 ★★★★★★★★ ママを意識しすぎ度 ★★★★★★★★★ 【寸評】 ママタレ本を購入する理由として、「もともとそのタレントが好き」「センスが参考になる」のほかに、「タレントとしてそれほど興味はなかったが、ママになってからのスタンスに共感する」というものがあるだろう。横浜国立大学卒という高学歴タレントとしても、キャラクターの面でも、中途半端なイメージが否めない福田萌。だからこそこの『福田萌のママ1年生日記。』は、オリエンタルラジオ・中田敦彦という配偶者とその子どもを得た彼女が、高らかにママタレ宣言をする最高のタイミングだったはず。 しかし残念ながら、この本にはママタレントが読者をひきつけるようなアクが一切ない。本当に「ただの育児ブログ」なのである。赤ちゃんはかわいい、でも子育ては大変。イライラを時々は夫にぶつけちゃう。そして、こんなグッズがありました……ママタレ本としては致命的な内容の薄さ。一方で大々的に取り上げられるのは夫・中田の話と「ママってすごいよね」「ママはみんな友だち」といった“ママ礼賛”。自分の話ではなく夫の子育て論や漠然としたママトークで隙間を埋めていくその「空虚さ」こそ、この本の読みどころ。空虚なのに、発信しなければならない。なぜなら、そこにブログやSNSがあるから……。この本は「ママタレ本」や「育児本」というより、頑張ってお勉強に取り組んできた女子が「ママ」という新たな勉強の場を見つける過程、といったノンフィクションとして捉えるべきなのかもしれない。 ******* ■夫の子育て論にうっとりする妻、という新ジャンル 『福田萌のママ1年生日記。』で特徴的なのは、自分のことより夫・中田(本文中は「アツヒコサン」)とのやり取りにページを多く割いていること。アツヒコさんは子育てに前向きな素晴らしき夫のようで、福田が「仕事も大変なのに無理をさせちゃってごめんね」と言ったときには、 「いや、子育てのほうがもっと大変だと思う。仕事をやって帰ってくる父の役割はサッカーで言ったら、フォワードなんだよ。(中略)でも子育てをしてるママの役割は、ディフェンダーに似てると思う。ゴール前を守って、点を取られないようにプレーする、けど、点を取られなかったからといって、国民からの賞賛は得づらい。子育ては24時間子どもの命を守る重大な役割を果たしてるのに、誰からも褒められない、頑張りは昇華されない、孤独な仕事だと思う」 と、芸人らしく「例え話」を用いて話し始めると、 「ディフェンダーとしてゴール前守りつつも、フォワードの点につながるプレーを支えなくては、ですね」 と返す福田……。 12次のページ Amazon 福田萌のママ1年生日記。 関連記事 福田萌の“学歴自慢”釈明、マスコミから「まれに見るグダグダ会見」と失笑買ったワケ「英才教育って炎上しちゃう」福田萌、炎上ママタレ狙いに「子どもを巻き込んで姑息すぎ」頑張るママたちを追い込む、意識低い系育児・松嶋尚美の天真爛漫さご神木に抱きついたり、聖水を浴びたり……妊娠・出産すら頑張り過すぎちゃう高島彩なぜ渡辺満里奈は「ウットリ」と「ゲンナリ」の狭間に漂うのか……その答えは「育自」にあった!