カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「CLASSY.」10月号

「派手=品がない」「地味=女を捨てた」……男性の偏見に怯える「CLASSY.」がまさかの姉御路線

2015/09/09 17:00
「CLASSY.」2015年10月号(光文社)

 今月号の「CLASSY.」(光文社)、特集は「こなれの秘密は『パーカ』だった!」です。ファッションシーズンの狭間に投げかける「CLASSY.」お得意の1アイテム入魂シリーズ。「シャツ、ニット、デニム、コート…。コーディネートを決めるときおそらく最初に思い浮かばない不遇のアイテム、それが『パーカ』」とリードでもエライ言われようです。

 この特集で目を引くのは、「関西オシャレ読者の三者三様パーカ」というページ。単なる着こなし紹介ではありません。コンサバ界最後の良心・関西読者たちが、自分たちのそれまでの人生を振り返り、“いかにして私はパーカに救われたか”を語るという謎に熱い企画。「いつも同じコーデになりがちで、オシャレに幅がないのが悩み…。そんな時にたまたま見つけたのが白パーカでした」「ここ最近のスニーカーなどのカジュアル化の流れに少し置いていかれている感は否めませんでした(笑)。スニーカーを購入してみたものの、似合う服がなく…。そんな私の悩みを解消してくれたのがグレーパーカ!」。またかとお思いでしょうが、言わせてください……青汁のCMか!!

 ずっと信じて、がんばってきたコンサバ道。スニーカーも履いてみた、髪を巻くのもやめてみた。それでもこなれない私が出会ったのが、この青汁……じゃなくて、パーカ。1アイテムで魔法のように人生が変われば……。一発逆転に望みを託す「CLASSY.」女子の現状を垣間見た思いです。

<トピックス>
◎特集 こなれの秘密は「パーカ」だった!
◎30代の出会い服は「姉御肌」がキーワード
◎派手めなコと地味めなコは勝負服が違うんです!

■姉御、サバサバという新たな地雷原へ

 先月号の、「UNIQLO」「無印良品」「GAP」「ZARA」「PLST」の5大ブランドモテ服ページで、ノースリーブブラウスを「例えば、合コンに後輩を連れて行くような余裕」と表現していた「CLASSY.」。最近この「余裕」というフレーズを誌面で頻繁に見かけます。そこで紹介したいのが、「30代の出会い服は『姉御肌』がキーワード」という企画。「30代に求められているのは、ガーリーな可愛らしさではありません。サバサバしていそうで、余裕がありそう、そして頼りになりそうな“姉御肌”が大人モテのキーワードです」ということで、ここにも「余裕」の文字が出てきました。

 「CLASSY.」御用達、男の本音全部知ってる系エッセイストの潮凪洋介氏によると、「姉御系の人は、苦労を乗り越えて、がっちりと成功している人や、大手有名企業に勤めているような男性に本命候補として選ばれます」「最近の姉御系は、強そうに見えるけど、話してみると優しい“ネオ姉御”だったりするので、草食系男子からも人気」なんだそう。「強そうに見えるけど、話してみると優しい」って、お相撲さんですか?

 こちらの企画、「後輩と行く合コン」「気になる人のいる取引先」「年下の結婚式」など、差がつきやすそうなシチュエーションごとに20代と30代のファッションを比較。20代ファッションに対しては非常に辛辣で、例えば「後輩ちゃんは、可愛らしさ全開のふんわりワンピが鉄板」「勝負服の一枚、ビジュー付きトップスで夜景×自撮りの準備」「手伝う気はなくはなさそうなほっこりニットワンピ」。それに対して「とろみシャツと白スキニーデニムで自立した女性像を演出」「ノースリニットが叶える、きちんと感と女性らしさの両立」「包容力とタフさを演出するゆるニット×タイトスカート」など、30代ファッションには“これぞ大人の女性”といった称賛の文言がちりばめられています。

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