ビッグダディは序の口!? アメリカの家族密着番組から誕生した、イロモノ有名人の壮絶人生
■ナディア・スルーマン(オクトマム)『Octomom』シリーズ
09年1月26日。全米を驚かせる出来事が起こった。カリフォルニア州で8つ子が誕生したのだ。母親のナディア・スルーマンのもとに取材が殺到し、ナディアは8本足のタコ(オクトパス)ならぬ、オクトマムとして一躍有名人となった。
しかし、この出産には批判が殺到することになる。ナディアは体外受精で8つ子を妊娠・出産しているのだが、「一度に子宮へ戻す受精卵は2個まで」と推奨されているにもかかわらず、医師に頼み込んで、12個も戻させていたのだ。しかも、ナディアは8つ子を妊娠する前に6人も子どもを産んでいたことが発覚。おまけに無職のシングルマザーで、生活保護を受けていたことが判明したからである。
大家族にあこがれていたというナディアは、75年生まれの39歳。96年に結婚した直後から子作りに励んだものの自然妊娠に至らず、卵管損傷が原因だったという。州立精神科病院に勤務していた彼女は高額な不妊治療費を払うためシフトを増やし、体外受精をスタート。99年、患者の暴動に巻き込まれ腰を痛めたとして就業不能給付金として16万5,000ドル(約2,000万円)が支払われ、金銭的には潤ったが、夫との関係が悪化し00年に離婚。友人から精子を提供してもらい、01年5月に待望の長男が誕生した。興奮したナディアは、出産後も治療を続け、13カ月後に長女を出産。03年8月には次男、05年には三男を、06年には双子の次女、三女を出産。無職だった彼女は両親と共に暮らし助けてもらいながら、就業不能給付金などの補助金やフードスタンプを使って生活していた。そこへ、さらに8つ子を出産したのである。
しかし、ナディアがシングルマザーで無職だったため、「自分で子どもの面倒を見られないのに、なぜ産んだ?」とバッシングされるように。おまけに最初の6人の子のうち3人は障がい児で、その福祉手当ももらっている状態だったことが発覚。危険だと認識しながらも大量の受精卵を子宮に戻した、彼女の担当医もやり玉に挙げられ、医師免許を剥奪されることになった。
世間からの非難を浴びたナディアだが、男好きする顔であること、子どもたちの父親を明かしていないことから、ゴシップの的に。注目されることが大好きなナディアは、数々の番組に出演し、さらには『666 the Devil’s Child』というホラー映画に主演した。「14人の子育ては大変すぎて自殺願望を持つようになった」「子どもたちのおむつを買うお金がない」とお涙頂戴発言をし、全米から寄付を集め、雇ったベビーシッターに家事までさせ、自分は美容整形で美貌を磨き、ブランドものを買い漁るように。
そんな彼女はタブロイドの格好の獲物となり、母親との確執やストリッパーだった過去が暴かれたり、既婚者の弁護士とデートしているところをパパラッチされたりと、人気は一気に転落。自己破産をし、生活のために『オクトマム:ホームアローン』という、自宅でオナニーにふけるという内容のポルノまで発売した。「ポルノ界のアカデミー」とされる『AVNアワード』の最優秀セレブリティ・セックステープ賞を獲得したが、薬物依存になり、子どもたちをベビーシッターに任せて、リハビリ施設に入所。放置されながら育った子どもたちは庭で用を足すなど、めちゃくちゃ。生活保護を申請したが、後に収入があったことがバレて、有罪にもなった。そんな彼女に育てられている14人の子どもたちを案じる声は根強い。