ドナルド・トランプに外見劣化をディスられたハイディ・クルム、おもしろ動画で華麗な反撃
歯に衣着せぬ発言で有権者たちの共感を集め、今や2016年米大統領選挙の共和党候補の中でトップの支持を得ているドナルド・トランプ。そんな彼のウィークポイントの1つが、女性に対する軽率な発言である。
8月6日にテレビで放送された共和党大統領候補による初の討論会では、女性司会者から過去に女性を蔑視する発言をしてきたと指摘されたが、宿敵の女性コメディアンヌ、ロージー・オドネルだけに対する発言だと言い、会場は大爆笑。苦笑いした女性司会者から「ロージーだけじゃないでしょう?」「あなたは女性有権者を敵に回すことになるでしょう。そんなことでは民主党のヒラリー・クリントンに太刀打ちできないのでは」と厳しい口調で質問されても涼しい顔。現政権を痛烈に批判し、他国になめられているアメリカの現状を訴え、「この国に必要なのは有能な人物だ」「自分ならアメリカを再び強い国にしてみせる」と高らかに宣言し、拍手喝采を浴びた。
ドナルドばかりが注目を浴びたこの討論会は、8月第1週に放送された番組の中でダントツの視聴率ナンバーワン輝き、2位の国民的人気オーディション番組『アメリカズ・ゴット・タレント』の倍以上の視聴者数を獲得したとして、「ドナルド効果はすさまじい!」と大きな話題となった。討論会が終わった瞬間、「自分のおかげで視聴率はいいだろう」と確信したというドナルドは、討論会で女性司会者から指摘された女性蔑視について複数のメディアを通して「ひどい言いがかり」と反論。しかし、米紙「ニューヨーク・タイムズ」のインタビューで、「確かに自分は言いすぎることがある」と弁解した後、視聴者数で大きく引き離した『アメリカズ・ゴット・タレント』の顔ともいえる同番組審査員でモデルのハイディ・クルムについて、「残念ながら、彼女はもう10点満点じゃないし」と発言してしまい、またも非難されるハメになってしまったのである。
問題の発言は、「オレが出た討論会の視聴率は、ハイディが審査員で有名な番組を抜いたぞ。彼女も大したことないな。彼女の人気はもう10点満点じゃない。彼女の番組を盛り上げる才能は10点満点じゃない」という意味にもとれなくはない。しかし、ドナルドは自身の外見について「変な髪型」「カツラじゃないか」と散々言われることに憤りを感じたのか、「ニューヨーク・タイムズ」ではヒラリー候補と、ヒラリーのライバルとされる元ヒューレット・パッカードの女性最高経営責任者であるカーリー・フィオリーナ候補について、「彼女たちの外見のことを批評するのは厳禁だという風潮がある」と批判した上で、「まぁ、私が彼女たちの外見についてアレコレ言うことはないですけどね」と見下すように語った。そのため今回の発言は、「女性の外見批判したくてたまらないドナルドが、ハイディが劣化したと言った!」とネット上は大騒ぎとなったのである。
突然やり玉に挙げられたハイディは、騒がれ続けるのはイヤなのか、素早く反応。Twitterに、おもしろ動画を投稿しドナルドをディスり返した。その動画は、ハイディが「10」と書かれたゼッケンをTシャツの胸に貼って写真撮影をしていると、ドナルドのお面を被った男が背後に忍び寄り、ゼッケンをはぎ取ってしまうというもの。ゼッケンを取られたTシャツには「9.99」と書かれているのだが、ハイディはにっこり笑い、「気にしないわ~」とアピールしている。動画の最後には、「HeidiTrumpsTrump」というハッシュタグが現れるのだが、これは「ハイディがトランプに勝った」という意味である。