サイゾーウーマン芸能テレビドラマレビュー『デスノート』が設定改変した意味 芸能 イケメンドラマ特捜部【ジャニーズ&イケメン俳優】 『デスノート』が設定改変した意味と、ドラマとして成立させる窪田正孝の功績 2015/08/06 17:00 ドラマレビュー ◎主演・窪田の手柄 そんな中で孤軍奮闘しているのが、夜神月を演じている窪田正孝だ。いろいろ問題の多い作品だが、それでもドラマとして成立しているのは窪田の迫真の演技によるところが大きい。同時に思うのは、やっぱり窪田は、役に恵まれてないということだ。 近年の出世作と言われている『花子とアン』(NHK)も『Nのために』(TBS系)も、脚本はお世辞にもいい出来とは言えなかった。『アルジャーノンに花束を』(同)で演じた軽薄な青年の役も凡庸なものだった。しかし、ほかの役者が演じたら色あせてみえるような役も、窪田が演じると3割増しで良くなる。 今回の月も、当初は居酒屋でバイトしてアイドルのライブに通う姿が「こんなの夜神月じゃない」と批判されている。しかし、平凡な大学生だった月が「死神のノート」を手にしたことで、歪んだ正義感に目覚めて変わっていく姿には、妙な説得力がある。漫画の月は、心理的葛藤がないまま人を殺す狂気の天才だったが、理想の社会を作るために人を殺すことの重みを背負っている、ギリギリの精神状態が、窪田の表情から伝わってくるのだ。 この正常と異常の狭間を綱渡りする危うい緊張感は、窪田の独壇場だろう。ドラマの最終的な評価はわからないが、窪田の役者としての評価は、今作でさらに高まったと言える。次回作では窪田に余計な負担をかけず、演技のポテンシャルを100%発揮できる役を与えてほしい。これから窪田を起用するドラマスタッフには、彼が繊細な青年役を演じられる20代のうちに最高の舞台を準備してもらいたい。 (成馬零一) 前のページ12 最終更新:2015/08/07 16:05 Amazon 『SNSの超プロが教える ソーシャルメディア文章術』 唐沢と組んでる『ラストコップ』もなんかヤバい臭いするわ…… 関連記事 『リスクの神様』クセのある俳優陣でひときわ目を引く、V6・森田剛の乾いた表情『お兄ちゃん、ガチャ』、野島伸司がジャニーズ枠で描いた“アイドルと消費者”の関係性とは『花子とアン』『Nのために』――暗い陰を持つ少年像がハマる、窪田正孝のポテンシャル『死神くん』――キャラクタードラマで際立つ嵐・大野智の“人生に期待していない”強さ『デスノート』、8.2%でワースト視聴率! “ミサミサ”佐野ひなこのシーンに視聴者は大爆笑!? 次の記事 尾野、山岸ら芸能界“恋多き女”の法則 >