コラム
仁科友里の「女のためのテレビ深読み週報」

“非リア充”ホラン千秋と“リア充”田中みな実、2人の女に感じた同じ穴のムジナ

2015/07/30 21:00
『ホラン千秋』(宝島社)

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の芸能人>
「男につまらない話をされるより、海外ドラマを見てる方が全然いい」ホラン千秋
『今夜くらべてみました』(日本テレビ系、7月28日放送)

 「芸能界でキャラ被りは、ご法度」と『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で発言したのは、ウーマンラッシュアワーの村本大輔だが、飽和状態ともいえるハーフタレントの中で、ホラン千秋は“非リア充”路線を選択したらしい。

 休日はひきこもり。どこにも出かけずに、海外ドラマを見続け、男性と知り合うような場所に足を運ぶこともない――7月28日放送の『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)で、こう発言したホランを、番組MCのフットボールアワー・後藤輝基は、外に行けばもっと楽しいことあるかもしれないよ、と脱ひきこもりを勧め、ハーフタレント会で親交があるというアシスタントのSHELLYは「干物女」とからかうが、ホランは「海外ドラママラソンに挑戦している。自分との戦い」と聞く耳を持たない。

 休みの日にドラマを見ているくらいで、ひきこもり呼ばわりはどうかと思うが、それはさておき、ホランは毒舌にも重きを置き始めているようだ。同番組でも、例えば、「数カ月留学しただけなのに、海外かぶれして、カタカナを英語風に発音する人が許せない」「話題のスイーツを食べにいったことをブログに載せる際、パンケーキより、自分の顔の方がはるかに大きいのはなぜだ」と“リア充”女子を口撃して、笑いを誘う。

 10代で芸能界に入り、青山学院大学卒業後は『NEWS ZERO』(日本テレビ系)でキャスターを務め、現在タレント・女優業で人気を博しているという経歴とその容貌からすれば、ホランは十分リア充側の資質を持っていると言える。だからこそ、ビジネス上の選択として、あえて非リア充のキャラを選んで、意外性と親近感を演出しているとも考えられるが、「男につまらない話をされるより、海外ドラマを見てる方が全然いい」という発言から、ホランは性質として非リア充的要素を持っているように、私には感じられた。その非リア充的性質とは、「人の話をよく聞く」こと。ホランが、男性の話がつまらないと感じるのは、それだけ男性の話をよく聞いている、という証拠なのだ。

 人の話をよく聞くのが、なぜ非リア充の要素なのか。それを考えるとき、てっとり早いのが、リア充との比較である。ホランと同じ大学出身で、リア充が集うテニスサークルの中で「あの子は別格」と周囲に言わしめたリア充中のリア充・田中みな実と比べてみると、ホランの非リア充ぶりがよくわかる。

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