ドナルド・トランプが「脱獄したメキシコの麻薬王に命を狙われている」とFBIに捜査依頼
来年のアメリカ大統領選の共和党候補指名争いに参戦した、アメリカ屈指の大富豪で不動産王のドナルド・トランプ。エキストラを雇ったおかげで大いに盛り上がった出馬会見では、「メキシコ人は我が国に麻薬と犯罪を持ち込む犯罪者。それにメキシコ人は強姦魔だ!」と主張。「(メキシコからの不法移民流入を防ぐために)メキシコとの国境に万里の長城を築く。(費用は)メキシコ持ちで」など、メキシコ人を目の敵にする発言を繰り返し、侮辱したと激しい批判を集めた。
しかし、ドナルドは、この発言を撤回する気はないと断言。米大手メディア「NBCユニバーサル」がドナルドと共催していた「ミス・ユニバース」のテレビ放送を打ち切ると発表しても、「5年間放送すると契約したのに違反行為だ! 訴訟を起こす!」と応戦。米大手百貨店メイシーズも、ドナルドが手がける紳士服ブランドの取り扱いを中止すると発表したが、「メイシーズとのビジネスはちっぽけなものだったから、痛くもかゆくもない」と涼しい顔。「NBCもメイシーズも、我が国にとって有害でしかない不法移民を支援している」と言い放ち、移民に雇用を奪われると懸念している保守的な白人層の愛国心を煽りまくった。
ほかの共和党候補者からも「醜悪な発言」と批判されるほど極端な持論を持つドナルドだが、共和党支持者の支持率はうなぎ上り。米経済政治サイト「Economist/YouGov」が行った最新の世論調査では、ジョージ・W・ブッシュ元大統領の弟ジェブ・ブッシュ候補を抑え、15%の支持率を得て1位に。支持率10位までの候補者により行われる来月6日の討論会では、さらにメキシコ人を攻撃する過激な発言が飛び出るのではないかと全米の注目を集めている。
そんなドナルドに今、最大のピンチが訪れている。世界で最も危険な男に命を狙われているというのだ。
11日にメキシコ市郊外の刑務所を脱獄した麻薬王ホアキン・グスマン受刑者の右腕ともいわれる実の息子が12日、Twitterでドナルドに向けて、「上等だ。このまま調子に乗ってろよ。お前が吐いた言葉の一つひとつを無理やりのみ込ませてやるぜ。白いケツのホモ野郎」とツイートしたからで、この発言は殺人予告だとネットで大騒ぎとなっているのである。