カルチャー
サイ女の性スポット探訪

「帰るときは三本足で帰ってった」珍宝館の名物館長・ちん子氏に学ぶエロと健康の表裏一体

2015/07/19 16:00
群馬県・伊香保温泉近くにある「珍宝館」

 体力や気力が落ちていると真っ先に失せる三大欲求が性欲だ。夜遅くまで働き、数時間後には満員電車に詰め込まれる毎日。平日をやり過ごしても、泥のように眠りたい、ストレス解消に食べまくりたいとは思えど、クタクタの体に鞭を売って、勝負下着を付けて男に挑む気力などなかなか湧かないものだ。下半身の元気がない日本。しかし北関東の片隅に、ひっそりと日本の性欲を応援する場所がある。その名は「珍宝館」。

 「珍宝館 めでれば性春 ボケ・介護の心配なし」なんとも頼もしいキャッチフレーズが特徴的なこの珍宝館は、群馬県が誇る温泉街・伊香保温泉近くに位置し、性にまつわる展示物がところ狭しと展示されている。1981年に開館し、徐々に規模を拡大。2012年4月には新館もオープンし、現在は全国的にその知名度を轟かせている。30年以上も来場者を魅了し続けている最大のポイントは、自らを「万長(マンチョウ)」と名乗る名物館長・ちん子氏の魅力ではないだろうか。そんな名物館長のいる珍宝館を訪ねてみた。

■「お父さん、種なしね」で大爆笑

名物館長のちん子氏のトークは“拝み所”から始まる

 性にまつわる約2,000点の絵画、オブジェなどが展示してある珍宝館は、旧館、新館、おみやげコーナー、そして女性器を模した“拝み所”と呼ばれる日本庭園から構成されている。軽妙な下ネタを交えながら、その案内をしてくれるのが、珍宝館名物の館長・ちん子氏だ。彼女のトークが聞けるのは、入り口から入ってすぐの拝み所から新館コーナー。館内を散策していると、どこからともなく館長が現れ、展示物の説明を始めてくれる。

「少子化問題、老人問題、これ全て解決できるのは珍宝館だけ。立ち上がれチンポ、締まれオマンチョ」

 展示物と館長の前にずらりと並んだ来場者一人ひとりの股間をタッチして、その具合の感想を語ってゆく。「お父さん、種なしね」「羊水が腐ってる」、また「奥さんたちのオマンチョもだいぶ砂漠化してきて、風が吹いたら黄砂とPM2.5が飛びますね」といった自治問題を盛り込みながらの場合もある。なんとも辛口だが、来場者からは、どっかんどっかんと笑いが起こる。

指すと「カンッ」という気持ちのよい音が鳴る

 新館内に足を踏み入れると、そこには数々の展示物が。まず目を引くのが新館に入ってすぐにある巨木だ。人間の下半身のように見えるその股座に、館長がペニス型の木をグサリと刺すと、これまた観光客からドッと笑い声が。

(左)頼もしさが漂う子宝観音(右)躍動感にあふれる自然木アートの数々

 見どころは、館長のトークだけではない。セックスシンボルであるマリリンモンローを描いた作品やエロ名画、館長自らが収集した多数の性器型の石の展示のほか、思わず足を止めてしまうのが、新館入口正面にある“べべ観音”。この観音様に拝むと、「女性は下半身の病気にならない」と記されている。赤ん坊を抱き抱えた裸の女性を型取っている“子宝観音”も名物で、木造の子宝観音には、子宝を願う来館者が小銭を乗せてお参りしている。実際にめでたく子を授かった夫婦もいるそうで、館長いわく「年に2~3組はいますね」という。そんな来館者の感謝の気持ちが書かれた色紙も飾られている。

 続いて旧館。こちらにも数々のエロ絵画や置物が多数展示されている。無数の木彫りのペニスや春画が展示されている中、印象的だったのが“自然木アート”と呼ばれる木彫りの作品。木の根や枝の自然な動きをそのままに、男女のエロスを題材とした作品が作られている。木々の躍動感を生かした作品たちは、エロスをテーマとしていながらも、生命力にあふれ、温かみがあって微笑ましい。

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