『クレヨンしんちゃん』で発見、SMAP・木村拓哉がキムタクを演じると「キムタクじゃなくなる」!
「オラ、のはらたくのすけ、5歳。通称“ノハタクー”」
と、“ノハタク”が言ったところで、1人だけキムタク顔じゃない、ひろしがつぶやく。
「ちょ、待てよ」
!!!! キムタクに向かっての、「ちょ、待てよ」。アリなのか。アリなんですね。ちなみに、シロもやっぱりキリッと「木村拓哉」顔。犬小屋には「キムシロ」と書いてある。家族全員がキムタクになっている事態に呆然とするひろし。風呂ではしんのすけが、「ブリブリ~ブリブリ~」と、ひろしに向かって尻を振る。これももちろん、キムタク。食卓で、一斉にしゃべるキムタクの野原家。それが全部キムタクという、この混沌。ドン引きのひろし。
朝、ひろしが目が覚めると、一緒に眠るみんなの顔は元通り。ホッとするひろし。すると、起きた家族がびっくり。
「木村拓哉になってるー!」
今度は、ひろしがキムタク顔に。ここで“つづく”と出て、1週目は終了。この間、だいたい1分のキムタクしんちゃん劇場だ。すごいスピード感である。そして翌週6月5日。オープニングで、再び着ぐるみのしんのすけとキムタクのツーショット。「また来たね、暇なの?」(しんのすけ)「いや、そうでもないんだけどね」(キムタク)とか言ったりする。この週もキムタク登場は番組の最後だ。
「朝起きたら、木村拓哉になっていた俺。みさえとひまの目つきがちがう」
うっとり“ひろタク”の顔を見つめる野原一家。しんのすけすら、「オラ父ちゃんにならあげてもいい」と言うほどの、キムタクひろしぶり。女子社員にモテモテ、商談も成立、いいことずくめだ。ちなみに元の顔に戻った家族たちは、声も本来の声優さんに戻っている。今回はひろしだけキムタクだ。「でも足のニオイは間違いなく父ちゃん」と、帰宅したひろしの靴のニオイを嗅ぐしんのすけに、さわやかな笑顔で、「それを言うなよ」。足が臭くてもカッコいいんだな、キムタクだから。でも結局、しんのすけたちみたいに眠ると元の顔に戻ってしまう、というオチで終了した。
そして番組最後、あっちむいてほいのコーナーに、アニメで描かれた“木村拓哉”が登場した。
「みんなぁ、準備はいい? じゃあ、行くよー!」
いつもより2トーンぐらい高めの声でしゃべるアニメのキムタク。これが、キムタクが演じるキムタクなのか。
「どう、あたった? じゃ、そういうことで」
よく、「何を演じてもキムタク」と言われるが、しんのすけもみさえも、そしてアニメ版キムタクも、声の演技を聞いて、「あ、キムタクだ!」とはならない。違う演技のキムタクも、いるわけだ。そして、<キムタクがキムタクを演じると、キムタクじゃなくなる>という、小さな発見があった。
(太田サトル)