サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「美人百花」が時代とズレているところ カルチャー [女性誌速攻レビュー]「美人百花」6月号 鈴木えみによる“着痩せテク”を特集、「美人百花」が時代からズレているところ 2015/06/08 21:00 女性誌速攻レビュー美人百花 「美人百花」2015年6月号(角川春樹事務所) 今月号の「美人百花」(角川春樹事務所)は、ミランダ・カーが表紙です。彼女を起用した企画のタイトルは「もしミランダと一緒にLAのマリブで休日を楽しむなら(はぁと)」……一瞬「ん? みんなミランダと一緒に休日を過ごしたいの?」と思いましたが、よくよく考えると、ミランダ=Facebookの「いいね!」要員扱いなのかもしれません。単純に一緒に休日を過ごしたいのではなく、「一緒に写真を撮ってFacebookに載せ、みんなに『いいね!』されたい」と読者は考えているのかも……。自分にメリットがあるか否かで物事を考える人が増えている……そんな世の中が象徴されているのではと深読みさせるタイトルです。 ミランダのページの中身を見てみると、紋切型の質問が並んでいます。「OFFの日は何してるの?」「一日も欠かさず食べているものは?」「毎日どんな格好で寝てますか?」「スタイル維持のために絶対食べないものは?」「ハッピーオーラ全開な感じはどこから来る?」などなど。読めば読むほど、ミランダにあんま興味ないだろという内容ばかり。あるとすれば、ミランダのような外見になるために、その生活習慣や食べ物を教えてほしいという興味でしょう。女性誌で取り上げられる女性有名人は、やはり一緒に休日を楽しみたい人ではなく、こういった自分ありきの「あこがれ」の人ですよね。 <トピック> ◎もしミランダと一緒にLAのマリブで休日を楽しむなら(はぁと) ◎アラサー美人はいま「着回し」Love!! ◎大人のための「着やせテク」完全保存版 ■着回し企画が“使えない”!? 毎号、1カ月コーディネートが多いと指摘している「美人百花」ですが、今月もとにかく多く、5人分の着回しを大特集しています。 「美香レディなら『スカート&パンツを両方はきこなさなきゃ!」』から始まり、「泉里香のプライベート的『爽やかスイート』な着回し1カ月!」「WAYモノ&SETモノをフル活用(はぁと)“服少なめ”着回し1カ月!」「“プチプラ服7割”でも素敵に見える着回し1カ月!」「トレンド服はONでもOFFでも着まわせないと!」まで。タイトルを書くだけでもひと苦労です。 この5つの着回し企画のうち、美香さんと泉里香さんという2人は、ご本人という設定。しかし、彼女たちの日常は、インテリアショップを廻ったり、テラスでシャンパンを飲んだり、散歩したり、クレープを買いにいったり、ピクニックに行ったり、お花を買ったり、太陽の光を浴びて元気チャージしたりと、ほとんど仕事をしていません! これ、美香さんや泉里香さんのイメージは大丈夫なのでしょうか? 12次のページ Amazon 『美人百花(びじんひゃっか)2015年06月号[雑誌]』 関連記事 「自分がどう見えるか」彼と街の視線を気にする「美人百花」の重すぎるファッション観キラキラ女子への誇大妄想!? 「美人百花」、疑問だらけの“広告代理店女子”信仰「優しい春の魔法にかかったみたい」春ポエム連発、「美人百花」の不可思議な点とは?コンサバもギャルも嫌!? 喧嘩上等の「美人百花」が抱える“美人”になり切れない葛藤「背中の産毛はトラウマ」という男に「彼をとろとろにするのが愛」と尽くす女、「ar」の歪んだBODY特集