リル・ウェイン、暴力反対のチャリティーマッチで通報される騒ぎを起こす
短気でトラブルを起こしやすいラッパー/音楽プロデューサーのリル・ウェイン(32)。8歳でラップを始め、脱童貞を果たした11歳で、地元ルイジアナ州ニューオリンズを拠点とする大手ヒップホップ系レーベル「キャッシュ・マネー・レコード」と契約。15歳でラップグループ「ホット・ボーイズ」のメンバーとしてデビューアルバムをリリースし、ソロアーティストとしても大成功を収め、南部ヒップホップ界に君臨する若きボスとしてリスペクトされるようになった。
だが、多くのラッパーがそうであるように、ウェインも危険極まりない人物。キャッシュ・マネー・レコードと契約を結んでから数年間は金儲けのために薬物の売人として危険な日々を送り、その頃には持っていた拳銃を自分に向けて誤って発砲させたことも。銃弾は臓器を傷めず胸部を貫通したため、本人は「2週間で元気になった」とニカッと笑って話すネタにしているが、2007年には銃器不法所持と薬物所持の疑いで逮捕された。翌年も同様の罪で逮捕・起訴され、有罪となり禁錮1年が確定。出所後は趣味のスケボーで顔面を地面に打ちつけて大けがをしたり、それにも懲りず「スケーターになるため音楽活動を休止する」と宣言したり。
今年に入ると、キャッシュ・マネー・レコードと手を切るために訴訟準備を始め、著作権配分の未払い分など5,100万ドル(約63億円)を求めるようだと報道された。ウェインの育ての父を自負し、過去には同性愛関係をウワサされた同社代表バードマンとの「南部ヒップホップ界最大のビーフだ」と世間を騒がせた。最近では、ウェインの邸宅で銃撃戦があったと偽の通報をされたり、呼んでもないのに売春婦を送り込まれたりと嫌がらせ続きで、4月になるとツアーバスが銃で襲撃されるという深刻な事件が発生。トラブルまみれな日々を送っている。
そんなウェインが今、ネット上で大きな注目を集めている。
米大手ゴシップ芸能サイト「TMZ」は1日、ミズーリ州セントルイスで暴力反対を訴える複数の団体が協力して開催された「ピストルを置こう。暴力をやめよう!」というチャリティーイベントで、ウェインがコーチを務めるチームと、彼とツーカーの仲であるラッパーのルース・キャノン・スリム率いるチームが、寄付金を募るためにバスケットボールの試合を行ったことを報じた。しかし、試合中にウェインがレフェリーの判定に納得できないとしてコートに乱入したようで、そのときの動画も紹介されている。
動画は、ウェインとレフェリーがウェインの取り巻きたちによって引き離される場面から始まり、隙を突いてレフェリーに向かい、吠えるように反発するウェインの姿がばっちり映っている。かなりの剣幕で場内が騒然としたため、警察官が駆けつける事態になったという。誰も逮捕されることはなかったが、ウェインは苦虫をかみ潰した表情で選手たちと話しており、しばらく怒りが収まらなかったそうだ。
この記事のコメント欄には、「だって、リル・ウェインだし」「何歳になってもガキだな」「彼を暴力反対のイベントに呼ぶこと自体間違ってる」「今年に入り、トラブル続きのウェインに、イベントに出てくれと頼むなんて無謀」と、あきれ返る意見が殺到。また、相手チームを率いる“ルース・キャノン”は、英語で「なにをしでかすかわからない危険人物」という意味でもあり、「ウェインだけでもヤバいのに、ルース・キャノンって名前の男が暴力反対のチャリティー試合をするって冗談でしょ」と失笑する声も多く上がっている。
確かに拳銃を持ち歩いて刑務所送りになったことのあるウェインを、「拳銃を捨てて、暴力をやめよう!」というイベントに招待することは無謀だったかもしれない。ラッパー/音楽プロデューサーとしての才能が高く評価され、美人歌手クリスティーナ・ミリアンとの交際も順調と充実した日々ゆえにチャリティーに目を向けるようになったものの、何事にも熱くなってしまう性格が災いして今回の騒動を起こしてしまったのだろう。今後はトラブルではなく、本業の音楽面でのビッグニュースをもたらしてほしいものだが……。