[女性誌速攻レビュー]「VERY」6月号

国際バカロレア教育に注目する「VERY」ママ、子どもの将来に対する“母の努力”への誘い

2015/05/31 19:00

■国際バカロレアってなに?

 今月の読み物ページで気になったのは、「“国際バカロレア教育”ってなんなんだ!?」です。「え、『私立バカレア高校』(日本テレビ系)でなく、バカロレア教育ってなに?」と思ってしまいましたが、誌面から要約すると、国際バカロレア機構は、1968年にジュネーブで設立された世界共通の大学入学資格だそうで、日本政府が2018年までにこの制度を導入した高校を200校に増やすと発表したのだそうです。

 この波に乗り遅れちゃいけないと、このページが作られたようで、「どうして世界基準と呼ばれているか」「今までの日本の学校の授業とどう違うのか」「日本語での授業が受けられるのか」「実際に通ってみるとどうなのか」などが紹介されています。

 そして、この教育を受けると、世界統一試験のスコアによっては、オックスフォード大学やハーバード大学などの道も開け、国内でも慶應義塾大学や上智大学、筑波大学もこの制度の修了生を受け入れるとのこと。また、海外に出て困難に立ち向かう精神力や、コミュニケーション能力なども身につくのだそうです。女性ファッション誌で「国際バカロレア教育」を取り上げるのは一見不釣り合いに感じますが、「VERY」ママには、子どもを国際的な人材に育て、自分たちと同じか、それ以上の暮らしを保障することが、親としての責務と考える人も多いのでしょう。

 ここ数年、「VERY」読者自身の人生設計に対する意識の高さが、ますます目立ってきていたように思います。それもこれも、10年20年前のように、「旦那の稼ぎさえよければ、なんとか楽勝のライフコースに乗れる」とは限らなくなってきたから。これからは、自分の“努力”こそが子どもの将来にも関わってくるという、動物的な勘が働いているのかもしれません。「VERY」ママによる教育意識についても、今後見守っていきたいと思います。
(芹沢芳子)


最終更新:2015/05/31 19:00
『VERY(ヴェリィ)2015年06月号 [雑誌]』
結局「VERY」は努力が大好物