外反母趾矯正のプロに聞いた、女性の「浮き指」の怖~い症状!
夏日の気温を記録することが増え、季節は早くも初夏の気配。ファッションも薄着になり、そろそろ足元も、サンダルやミュールに切り替えようと、考えている人も多いのでは。冬の間手入れをしていなかったかかとの角質、足の爪のお手入れも大事ですが、その足、醜く歪んでいませんか? 今回は、施術に訪れる半数以上が外反母趾だという、均整体クリニック「FORME」グループ代表で日本美容矯正士協会理事長の清水ろっかん先生に、知られざる外反母趾の恐怖について聞いてきました。
――女性の多くが外反母趾だとよく聞きますが、なぜ男性には少ないんでしょうか?
清水ろっかん氏(以下、清水) ハイヒールが原因のことが多いですね。スニーカーでもサイズの小さい靴や、ヒールが低くてもとがった靴を履いて足の先が詰まった状態にあると、外反母趾の原因となります。また外反母趾の方は、重心が後ろになっているのが特徴ですね。そうなると、体調にもさまざまな不調が出るようになります。
――重心が後ろだと、どんな弊害がありますか?
清水 足先ではなくかかとに重心がかかりやすくなると、姿勢が崩れてお尻が垂れ、猫背にもなり、骨盤が開き、歪みの温床となります。骨盤の歪みは胃下垂の原因となり、さらに胃下垂は内臓が全部下がった状態になるので、下方にある子宮が圧迫されるんです。子宮後屈症状となり、それが原因で婦人科系統の不調を訴える方も。内臓が圧迫されると代謝も落ちますし、歪みの連鎖は止まりません。たかが足の歪みではないんですよ。
――骨盤の重要性は知っているつもりでしたが、元の歪みが足元にあったとは驚きです。
清水 外反母趾の原因のひとつに、足の指が反り返っている「浮き指」というものがあります。実は私もそうなんですが、ほとんどの方が浮き指なんです。立っているときに地面に接していない、踏ん張っていない指のことですが、これがあると、重心がかかとにかかりやすくなる。指の背にタコができる、足の指が曲がっている人は、浮き指を疑ったほうがいいでしょう。また、外反母趾になると、足の裏の親指から小指にかけて、アーチの形が作られない。そうすると、足裏のクッションがなくなって、疲れやすくなります。血流も滞り、冷え性にもつながります。
――歩き回るとすぐ疲れる女性、足の指をチェックしたほうがいいですね。
清水 重心が前にくる、正しい歩き方をすると、膝、お尻が引っ込み、体形が明らかに変わりますよ。ちなみに、どんなに高いヒールを履いても、きれいな姿勢でどこまでも歩ける方もいて、それを「エロ足」なんて呼んでいます。ヒール姿がキマるのでとてもセクシーですが、そういう方は本当に少ない。
――浮き指や姿勢を自分で矯正できる方法はありますか?
清水 足の指を手で持って反らして伸ばす。これを5分行ってください。また椅子に座ったときは、足の指が内側に曲がるように曲げてください。あとは、浮き指を矯正するサポーターを使うのもよいですね。足裏のアーチを元に戻すような外反母趾サポーターを、夜だけ着用するのではなく日中に使うと、姿勢と歩き方の変化が実感できると思いますよ。
――外反母趾の予防法も教えてください。
清水 靴を買うときは、必ずフィッティングすること。そしてインソールを買って、自分の足に合うよう調整すること。くれぐれも、小さい靴のほうがかわいいからと、合わないサイズを履かないでくださいね。まずは、これを徹底してみてください。
清水ろっかん(しみず・ろっかん)
プロポーション・フェイスアドバイザー。均整体クリニック・FORMEグループ代表。明治大学柔道部在籍中に整体術を学び、骨盤の歪みと股関節の開きに着目。小顔と立体感あるボディ作りに定評があり、『バンテージダイエット』(フォレスト出版)は54万部の大ヒット。近著に『外反母趾らくらくサポーター』(主婦と生活社)がある。