「まつ毛=女の充実度」だった!? 上西小百合、伝説の“びっちゃびちゃ”アイメイクの源流
「私、ビューラー使うのやめたんだよ」とは、友人の漫画家・安彦麻理絵さんの弁。根元から立ち上げた「パッチリ☆」としたまつ毛が「疲れるんだよねー」とのことだそうな。「年齢にふさわしい『たおやかな優しい感じ』のまつ毛になりたいの」というのは、同年代としてなるほどと思える話だが、別の40代の呑み友達は「ほら、まぶたが下がってきて、なんかボヤけた目元になっちゃうから、まつ毛だけはビューラーで上げて『生き生きした感じ』を出したい」と語ってくれた。そして、30代である生き字引ちゃんにも聞いてみると「すっぴんとの違いを出したくないから」と、まつ毛エクステを使っているらしい。ポイントは「扇型。横から見て『キレイだなって思われる感じ』のボリューム」にしているとのこと。以前、当コラムに登場してくれた34年間ノーメイクだった通称・センパイは、ビューラーを使うも「微妙にまぶたより上くらいに上げて『少し目が大きく見える感じ』に」しているらしい。
十人十色、十人十毛であるが、全員「やりすぎ感がしないように」と念頭に置いているのは一緒だった。「ナチュラルに、まつ毛1本1本がツルンとした感じ」が、今のまつ毛の共通ルールのようだ。そして、誰もが「こういう感じに」と、目指している「女としてのビジョン」があるのが面白い。まつ毛とは、女の願望が託される箇所なのかもしれない。そういえば、20代のJ子はどうなのだろうと尋ねてみると「パッチリした『東京でイケてる女って感じ』を目指してます☆」と清々しい答えが返ってきた。若人がアゲアゲなのは頼もしい限りである。では、小百合はどんな願いを、あの迫力ありすぎなまつ毛に託しているのだろう……。
なんて他人のことを揶揄できる立場ではない。いつも、テキトーに百均でつけまつ毛を選んでしまっていた私だが、これからは切なる願望を持って、つけまつ毛を選びたいものである。そんな私がオススメするのもおこがましいが、1つだけ。D.U.Pの「アイラッシュフィクサーEX552(つけまつげ接着剤)透明タイプ」。接着剤だけは百均のだとすぐ取れてしまうので、強力なのを探していたところ、ほかの商品が「取れにくい」と謳っている中、「1日中取れない」と言い切る強さに惹かれました。1,000円近くするが、確かにすごい接着力! 乾くとのりの色が変わってわかりやすいので、初心者には透明タイプがオススメ。アイメイクであまり変身できなくて、つまんない思いをしている奥二重女子は、たまにはバッサバサなつけまつげで「変わった感」を楽しんでみて☆
大久保ニュー(おおくぼ・にゅー)
1970年東京都出身。漫画家。ゲイの男の子たちの恋愛や友情、女の赤裸々な本音を描いた作品を発表。著書に『坊や良い子だキスさせて1』(テラ出版)、『東京の男の子』(魚喃キリコ、安彦麻理絵共著/太田出版)などがある。
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