ジャニーズファンを魅了する「ねこあつめ」、“ただ愛でる”だけのゲームに見るファン心理
ここ数カ月、ジャニーズファンの間で密かに(?)人気を集めているアプリがある。ヒットポイントのキャラクター収集ゲーム「ねこあつめ」。ゴハンと遊び道具(グッズ)を置いておき、庭先に集まってきたねこたちを、ただただ眺めて癒やされるというものだ。
一般に幅広く愛されているゲームだが、面白いのは、ジャニオタとの相性が異常に良いこと。ジャニオタのTwitterや掲示板などで「ねこあつめ」についての書き込みを見る機会が多く、気になってやってみたところ、確信した。これはジャニオタ必遊ゲームだ、と。その理由をいくつか挙げてみたい。
1:ねこに名前が付けられる!
庭先に集まって来たねこには、もともとの「せいかく」「せんとうりょく」設定と、「あそんだグッズ」などの傾向があり、名前を自分で付けられる。そのため、「イケメン風味」→「木村拓哉一択だな」とか、「負けず嫌い」→「二宮でしょ」、「天然」→「草なぎ剛」、「お目付け役」→「タッキーしかいない」、「おさむらいさんで、元指南役」→「時代劇もやるし、ヒガシだな」、「やんちゃ」→「有岡大貴かな」、「高級志向」→「リアル金持ちの中間淳太だな」、「ふしぎちゃん」→「関西ジャニーズJr.の浜中文一さんだな」、「ツンデレ」→「ジャニーズJr.の永瀬廉」、「ぼうけんか」→「ジャニーさん!」などといった具合に、自分のイメージするジャニーズ像と重ね合わせて楽しめる。中には、特定のオモチャじゃないと来てくれない「レアねこ」もいて、そのスペシャル感にまんまとやられてしまう。
2:名前を付けてからの行動パターンに、妄想が膨らむ
いったん名前を付けてしまうと、その猫がもう、ジャニーズタレントにしか見えなくなる。「新しいオモチャを置くと、必ず真っ先に遊びにくる二宮」とか「いつも一番高い位置に座るキムタク。プレゼントしてくれるたからものも、オシャレなイヤリング。さすが」「大野はいつも座布団でくつろいでいる」「山田は、ねこじゃらしばかりでよく飽きずに遊ぶなあ」「堂本剛って、全然遊びにこない」「また有岡が来てる! 全部のオモチャ、制覇してるし。っていうか、トイレ休憩で一瞬離れただけで、ほぼ庭に住んでるよね? しかも、お礼にぼし1~2本だけ置いて……」「浜中さん、たからものくれるのは良いけど、『せみのぬけがら』って……嫌がらせですか」などと、「せいかく」などをもとに、自分のイメージで名付けているから当たり前なのだが、いちいち行動パターンも納得で、グッとくる。
3:リアルに見られない「組み合わせの妙」も!
「大野と中山優馬が同じクッションでくつろいでる!? ああ、そういえば釣り好き同士か」とか、「高木雄也と桐山照史が、こたつで並んでる。『ごくせん』つながりか」とか「木村拓哉と山田涼介が並んでいるって、不思議な光景!」「メリーさんの戦闘力すごっ! しかも、メリーさんがどっかり腰をおろしたこたつの中に、尻尾だけのぞかせてる中山優馬と永瀬廉が……」。もはやテレビ番組などでは見られない、派閥を超えた「共演」が、ゲームの中で見られたり、「並び」に勝手な関係性を見出して妄想を膨らませたりと、遊び方は無限に広がる。
「敵を倒す」のでもなく、「育成する」のでもなく、「ねこをひたすら待ち、ただ愛でるだけ」。思えばそのコンセプト自体、ジャニーズファン心理に近いものがあるのかも?
(田幸和歌子)