妻ビヨンセも参加!?

ジェイ・Zの音楽サービス「Tidal」が苦境!? 起爆剤としてコンサートキャンペーンを発表

2015/05/05 15:30
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大人のおもちゃと銭には貪欲な夫婦

 ラッパーとしてデビューして早々、「雇われるだけじゃ大きく儲からない」と自主レーベル「ロッカフェラ・レコード」を立ち上げ、薬物売人時代のコネを利用してストリートにCDをばらまき、口コミから活躍の場を広げていったジェイ・Z。セカンドアルバム以降は、出す曲すべてが大ヒット。その後、クロージングラインを立ち上げ、スポーツバーをオープン。NBAブルックリン・ネッツの共同オーナーにもなり、2012年から同チームの本拠地となったバークレイズ・センターの経営にも口を出していると伝えられている。プロアスリートのマネジメント事務所「ロック・ネーション・スポーツ」も経営しており、米エンタメ・スポーツ界で手広くビジネスを展開している。

 そんなジェイは、スウェーデンのAspiro社が昨年立ち上げた定額制音楽ストリーミングサービス「Tidal」を5,600万ドル(約67億円)で買収。今年3月に記者会見を開き、世界30カ国以上(日本は含まれず)でのサービス開始を発表した。会見にはビヨンセはもちろんのこと、マドンナ、リアーナ、アリシア・キーズ、ニッキー・ミナージュ、カニエ・ウェスト、ダフト・パンク、ジャック・ホワイト、アーケイド・ファイアら豪華アーティストが駆けつけ、とても華やかなものとなり、ネット上でも大きな話題となった。

 Tidalは高音質が売りで、月額料金が高めに設定されているのが特徴。配信形式により異なり、20ドル(約2,400円)か10ドル(約1,200円)のサービスを選ぶようになっており、無料サービスはなしと、かなり強気だ。料金がネックとなっているのか、ユーザー数は3月の発表時で54万人と、ライバルである「Spotify」の有料ユーザー1,500万人、無料ユーザー6,000万人に比べると赤ん坊のようなもの。今後、目新しく魅力的な要素を作らないと生き残れないのではないかと心配する声まで上がっていた。

 だが、そこは天下のジェイ。作戦をしっかり練っていたのだ。

 ジェイは4月29日、Tidalの公式サイトや公式Twitterで、「本日から5月8日までの間、Tidalでプレイリストを作り、#TIDALXJAYZというハッシュタグをつけてTwitterでシェアした18歳以上のTidalユーザーの中から1,100名、スペシャルコンサートにご招待します」と発表。「異なるカラーのアーティストが幅広くチョイスされているか」「異なるジャンルの曲がうまく混じり合っているか」「全体的に見た曲の順番、つなぎ方」を基準に、招待客を選ぶと明かした。


 このスペシャルコンサートは5月13日にニューヨークで開催するとのことで、ジェイがステージでパフォーマンスしたことのないCDのB面ソングばかりを披露する、前代未聞のプレミアムなコンサートになるそう。B面にちなんで、『Jay-Z B-Sides』というコンサート名になっているが、妻のビヨンセも「B」と呼ばれていることから、サプライズ出演する可能性は十分にあるとファンは期待を寄せている。

 なお、コンサートに行けなくても、Tidalユーザーはスペシャルコンサートの配信をTidalで受けることができるそうだ。現在、Tidalは1カ月無料で“お試し”できるようになっていることから、このスペシャルコンサートをきっかけにTidalユーザーは爆発的に増えるのではないかとみられている。

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