「山本圭一はついていない」吉本芸人の盗撮事件で、いよいよ遠のく“テレビ本格復帰”
だいぶ前になるが、売れない時代が長かったある有名な女性演歌歌手が、こんなことを言っていた。まだ売れていなかった時代、青森の高校体育館のステージに立ったとき、ファンの声援と拍手に鳥肌が立ち、背中には痺れが走ったという。「あの感覚を味わった瞬間から、歌手はやめられないと思いました。最高のゾクゾク感。歌手を続けていてよかったと思いました」――そんな彼女は、その後たくさんのヒット曲を世に送り出し、『NHK紅白歌合戦』に何度も出場している。
極楽とんぼの山本圭一(47)も、“あの感覚”を忘れられないのではないだろうか。2006年7月、萩本欽一(73)が監督を務めた茨城の野球チーム「ゴールデンゴールズ」の北海道遠征中、山本は未成年者と淫行騒動(示談成立・不起訴)を起こして所属事務所の吉本クリエイテブ・エージェンシーを解雇された。事実上、芸能界引退状態になり、芸能関係者や友人の支援、バイトなどで生活を続けてきた。
今年1月、山本は8年半ぶりに東京・下北沢で、客が入場料を決めるという「投げ銭ライブ」を行った。自身のブログと、駅前で配布したチラシで1万6,000人を超える観覧希望者が殺到。その中から、抽選で選ばれた100名がライブを観覧できたという。彼も久しぶりのファンの拍手と歓声に、背筋がゾクゾクしただろう。
そんな芸能界復帰を必死に願う山本が、3月31日に広島のHIROSHIMA BACK BEATで、再び「投げ銭ライブ」を行った。この後、4月6日にも宮崎のMIYAZAKI SR BOXで同様のライブを行うという。すんなり吉本に戻れるとは考えづらい山本だけに、今後、テレビの世界で華やかな活動をするのは夢のまた夢だろう。これからも舞台を中心に、地道に芸能活動を続けることになるのではないだろうか。
さらに先日、山本の復帰を絶望視させる事件が起こった。同じ吉本のお笑いコンビ・カズ&アイの瀬尾和寿容疑者(33)が、静岡県の「迷惑防止条例(盗撮)違反」容疑で現行犯逮捕された一件だ。JR静岡駅構内のエスカレーターで、前を歩く女性の下着をスマートフォンで盗撮し、本人もこれを認めているという。この事件が再び、山本のあの事件を思い出させてしまう。復帰に懸け、ライブ活動をする山本は、本当に“ついていない”ということなのだろう。しかし、淫行騒動も、芸能界の大御所・欽ちゃん球団の遠征中でなかったら、もっと早く復帰できた可能性があるという業界関係者の意見もある。山本はそもそも最初から“ついていなかった”のかもしれない。
石川敏男(いしかわ・としお)
昭和21年11月10日生まれ。東京都出身。『ザ・ワイド』(日本テレビ系)の芸能デスク兼芸能リポーターとして活躍、現在は読売テレビ『す・またん』に出演中。 松竹宣伝部、『女性セブン』(小学館)『週刊女性』(主婦と生活社)の芸能記者から芸能レポーターへと転身。