石原さとみ気分になれない女に喝! 唇フェチが“タラコ唇コンプレックス”をぶった斬る!!
話は逸れるが、中2の時に「亀事件」というのがあった。クラスで一番やかましいヤンキー男子が、隣で用を足していた男子の性器を見て、大騒ぎしたのである。教室に戻って、「アイツのチンコ、亀みたいな形してたんだぜ☆」と黒板に大きく描き始めたのだ。ヤンキーは得意気に「やーい、亀☆」とバカにしていたが、教室中が微妙な空気になった。ヤンキーに「それって……普通だよ?」とは誰も言えず、ほかのヤンキー仲間も苦笑いするだけで、陰で「大人のを見たことないのかな?」とか「遺伝かな?」とウワサされていた。大人になるにつれ、別の価値観が登場してくるものである。「大仏」だった私の唇も、男子高時代には 友人から「エロい」と言われたりして、私は得意げだったが、「私の顔はヘン!」と思い込んでしまった少女は違う。ホメられても「変なマニアでしょ!?」 と、心を閉ざしてしまうのである。
本来なら、好きな男から顎クイでもされて「J子の唇、好きだよ」とか言われるのが、一番の特効薬になるのだろうが、ここは取り急ぎ、中年ゲイで応急処置。涙目のJ子に、筋金入りの唇フェチの私から見たJ子の唇の素晴らしさを伝えたところ、にわかに自信を持ってくれたようだ。
さて、長い前置きになってしまったが、「今回の美容コラムは『唇ケア商品』を試してみましょう☆」ということになった。調べてビックリ、世の中には色々な商品があるものである。気になったものをいくつか試してみたよ☆
まずはLUSHの「リップスクラブ」。その名の通り、唇用のスクラブ剤である。LUSHは香りが物によって極端なので、実際に嗅いでみて「バブルガムフレーバー」というのにしてみた。懐かしいお菓子のような香りだが、実際、砂糖そのもの。入浴中、粗いシュガーで唇をマッサージすると、甘い香りと裏腹な ハードな刺激がするが、唇の皮や汚れをガッツリこそぎ落とせた感じがある。使用後は、唇の神経が鋭敏になっている感じで、かなりリップコンシャスな気分になるのも気に入ったよ☆
お次はPure Smileの「CHOOSY」というリップパック。ドラッグストアで1枚100円ほどでGETできる。ハニーやらピーチやら、それぞれ微妙に効能が違うのを数種類買ってみたが、まあ気分でって感じ。洗顔後の唇に、ういろうのようなプルプルのゲルシートを乗せ、5~30分放置とのこと。こういうのは思いっきり上限を試す私は30分コース。30分間無言って、新鮮な感じ。ハチミツエキスやヒアルロン酸など、たくさんの美容成分の効能を読んだせいか、パック後の唇はハリがでたように思えた。御パック好きなので、これは楽しいね。
そして、Peach Johnの「ボムリップ」。唇用の美容液だが、この商品の特色は「トウガラシエキス」配合ということ。塗った瞬間から、辛いものを食べた後のような痺れが! ボリュームアップ効果があるとのことだが、確かに唇が腫れ上がったような感覚。「私の唇、ふっくら☆」って実感は一番持てるかも。
とりあえず、3品を一気に全部使用すると、鋭敏な神経にトウガラシが効きすぎる感もするが、デート前、「いっちょ唇ふくらましとくか☆」って時には心強い味方になりそうだ。今まで口紅を買ったことがないというJ子も、「やっぱりスクラブが一番『ケアした』って気分になりますね☆」と楽しげに唇と向き合っている。よかった。是非とも全国の厚い唇女子にも、これらの商品でリップコンシャスになって、「私にはセクシーな唇がある☆」と、石原さとみ気分で唇ライフを満喫していただきたい。
ところで、リップパックの説明書きに「裏技!」として「バストの黒ずみにも使えます」との表記があった。もちろん即座に半分に切って使用。結果から言うと、「1回で変わるワケないわな……」だが、乳首をケアしたという事実は、何か心潤う行為である。言うなれば、乳首こそ「セックスを感じさせる」部位である。唇同様、ケアされた乳首は、貴女に「女としての自信と潤い」をくれるはずだよ!
大久保ニュー(おおくぼ・にゅー)
1970年東京都出身。漫画家。ゲイの男の子たちの恋愛や友情、女の赤裸々な本音を描いた作品を発表。著書に『坊や良い子だキスさせて1』(テラ出版)、『東京の男の子』(魚喃キリコ、安彦麻理絵共著/太田出版)などがある。
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